出版社内容情報
厳しい状況にある地方鉄道だが、近年新しい経営手法とサービス改善の努力で経営の危機から再生した路線が現れ始めた。最新事例を紹介
長く厳しい状況にある地方の鉄道。しかし近年、新しい経営手法とサービス改善の努力で経営の危機から再生した路線が現れ始めた。公募社長による改革で注目を集める山形鉄道、上下分離経営でコスト削減とサービス改善を達成した上信電鉄、子会社化で活路を見出した養老鉄道など全国の事例から鉄道存続には何が必要かを考える。
はじめに
1.東日本大震災からの復旧
?@三陸鉄道(代替バス運行とプライベートブランド立上げで復活を模索)
?AJR東日本八戸線(人気シェフ監修のレストラン列車を導入して復興に貢献)
2.公募社長による第三セクター鉄道活性化の模索
?@由利高原鉄道(トップツアーから転身した春田社長の取組み)
?A山形鉄道(読売旅行から転身した野村社長の取組み)
3.上下分離経営による活性化の模索
?@上信電鉄(群馬式上下分離経営でコスト削減とサービス向上を達成)
?A福井鉄道(他社との相互乗り入れで利便性を向上)
?B一畑電車(経営の自律性を高め、観光・映画との連携で利便性を向上)
4.子会社化による生き残り
?@岳南電車(子会社に鉄道事業を移管し、利便性向上を図る)
?A養老鉄道(民有民営の上下分離経営で地域密着の改革を推進)
5.モータリゼーションの危機を乗り越える
?@江ノ島電鉄(テレビドラマを活かして観光客もターゲットに)
?A広島電鉄(危機の70年代に存続に成功、サービス改善で市民の支持を獲得)
6.倒産からの再出発
?@水間鉄道(グルメ杵屋の支援を得て新サービスを展開)
?A琴平電鉄(地元企業の支援を得てサービスを改善)
7.交通政策基本法の制定を受けて
おわりに
【著者紹介】
堀内重人/1967年生まれ。立命館大学大学院経営学研究科博士前期課程修了。都市交通問題研究家として執筆や講演活動を行うかたわら、NPOでも交通問題を中心とした活動を行う。日本交通学会、公益事業学会、日本海運経済学会、交通権学会、日本モビリティ・マネジメント会議、日本環境教育学会会員。著書:『都市鉄道とまちづくり』(文理閣、2006年)、『高速バス』(グランプリ出版、2008年)、『廃線の危機からよみがえった鉄道』(中央書院、2010年)、『鉄道・路線廃止と代替バス』(東京堂出版、2010年)、『ブルートレイン誕生50年?20系客車の誕生から今後の夜行列車へ』(クラッセ、2011年)。
内容説明
新しい経営手法とサービス改善の努力で経営の危機を乗り越え、鉄道復権の時代を拓く各地の取り組みを報告。
目次
第1章 東日本大震災からの復旧
第2章 公募社長による第三セクター鉄道活性化
第3章 上下分離経営による活性化
第4章 子会社化による生き残り
第5章 モータリゼーションの危機を乗り越える
第6章 倒産からの再出発
第7章 交通政策基本法の成立とローカル線のこれから
著者等紹介
堀内重人[ホリウチシゲト]
1967年生まれ。立命館大学大学院経営学研究科博士前期課程修了。運輸評論家。日本交通学会、公益事業学会、日本海運経済学会、交通権学会、日本モビリティ・マネジメント会議会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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