白熱講義 これからの日本に都市計画は必要ですか

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白熱講義 これからの日本に都市計画は必要ですか

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  • サイズ B6判/ページ数 255p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784761525712
  • NDC分類 518.8
  • Cコード C0052

出版社内容情報

日本の都市計画は何をしてきたのですか? 近代都市計画とは? 都市計画の現実、矛盾と展望を明らかにした現役世代に訴える一冊。

日本の都市計画は何をしてきたのですか?近代都市計画とは何だったのですか?3.11で何が変わるのですか?今、私たちが引き受ける課題は何ですか?1930年代生まれのベテラン都市プランナーへ、1970年代生まれの若手が投げかける、差し迫った問いと議論の応酬。都市計画の現実、矛盾と展望を明らかにした現役世代に訴える一冊。

1部:講義編 日本の都市計画は何をしてきたのか

◎1章 近代都市計画とは何だったのか
□1 近代都市計画を解釈する
何を読むべきか?!
都市計画は単なる技術ではない──日本人が書いた教科書の偏り
近代都市計画を読み直す──三冊のテキスト
近代都市計の解釈──ピーター・ホール『明日の都市(Cities of Tomorrow) 』を読む
都市計画の起源──18世紀のスラム対策
19世紀の都市拡張──社会、文化、政治、経済はどう対処したか
20世紀、世界の都心に現れた高層ビル
成熟期の反省──住民参加による「自助の都市」への注目
それでも都市の拡張は続く──高速道路網の整備とスプロール
□2 都市計画の反省
1940年代の都市計画理論──量的な解析で都市はつくれるか
計画論が見直された背景
計画することで見えてきた問題
市場と都市計画──1980年代レーガン・サッチャーリズム
変わらぬ下層階級都市──スラム、そして色あせた都市
近代都市計画史を私たちはどう解釈するか
日本の近代──村落共同体の破壊と無縁社会の発生
都市空間の整備とコミュニティ
日本人のルーツ──都市居住か、郊外居住か
□3 グローバル化の再考
グローバル化した世界の都市3類型
グローバル化に対する7つの疑問
地域による「民主主義」の違い
日本的な公共性、民主主義の模索
新しい経済価値は根付くか──交換価値と使用価値

◎2章 3.11で何が変わるのか 
□1 現代都市計画の転機
1933年、1973年、そして2013年
21世紀の新しいハビタットのパターン
1970年代からの近代の問い直しはどこで挫折したのか
□2 震災を契機に価値観の転換はなされるか
エネルギー問題を真剣に問い直せるか
過疎地、漁村の復興問題
農林業を自然立地的土地利用へ切り替えられるか
都市計画は安全をどこまでサポートするのか
産業構造と人口の問題
リスクヘッジから国土を考えなおす
経験のない世代に復興が担えるのか

◎3章 今、私たちの引き受けるべき課題は何か?
□1 更地から始まった近代、都市が既にある現代
タブラ・ラサ(更地)を“善”とした近代
日本の不完全な設計主義
マスタープランは機能したのか
官僚組織の構造が抱えるジレンマ
土地所有の構造が抱えるジレンマ
□2 都市へのモチベーションが見出し難い現代
マーケットの圧力とどう戦うか
設計主義の実験──埋立地にできた幕張ベイタウン
人はどちらを選ぶのか──都市の快適性と大型SCの快適性
設計主義の実験──監理された都市シンガポール
人は自分の住環境に手を加える動物
3.11 後の構造をどう読み、何をするか
次世代都市計画の課題

2部:演習編 蓑原先生、これからの日本に都市計画は必要ですか?    
◎問1 都市計画にマスタープランは必要ですか?(姥浦道生)
□問い
日本と外国のマスタープラン
マスタープランの歴史
ビジョンとして、或いは評価ツールとして
日本のマスタープランは空間的総合調整ツールになり得るか
□議論
日本におけるマスタープラン「的」なものの系譜
日本人は空間の秩序を求めているのか?
近代都市計画にとってのマスタープランを振り返る
1968年都市計画法制定時の実状
都市を包括的に捉える視点はずっと欠けていた
共有するビジョンの不在
マスタープランが調整機能を有するためには
実行する担い手
防災を手掛かりにしたマスタープランの計画

◎問2 都市はなぜ面で計画するのですか?(藤村龍至)
□問い
2000年代以降の新しい傾向1:都市のような巨大建築の出現
2000年以降の新しい傾向2: 集合知という設計のイメージ
孵化過程・海市:炎上
多様かつ構築的な計画:使用者と設計者の双方の暴走を抑止する
模型性─コミュニケーションの可視性と双方向性
都市設計の模型性をどう担保するか
学校施設をコアにした公共建築マネジメントの可能性
点の集合が都市空間像を描く
蓑原先生、街は要るのでしょうか?
□議論
資本の論理だけ考えれば「街」は要らない
施設配置とそれを補完する小さなモビリティ
設計手法が生み出す多様性
社会はいろんなかたちで「収れん」されている
人口減少している社会が「街」の意味を考えるべき

◎問3 コンパクトシティは暮らしやすいまちになりますか?(野澤千絵)
□問い
固定観念としてのコンパクトシティ信仰
現実のライフスタイル──郊外型SCとネット通販への依存
コンパクトシティの実現手法を持たない都市計画
むしろネットワーク志向の都市計画、法制度へ
□議論
郊外から都市へ移れば、どんな幸せな生活が待っているのか
公共サービスのない郊外に住み続けられるか
それでも郊外住宅地は拡がる?
市場ではなく福祉誘導型の判断基準を持てるか
施設整備の積み重ねで全体をコントロールできないか
次世代に引き継げるものを探す

◎問4 都市はどのように縮小していくのでしょうか?(饗庭伸)
□問い
市場の発達を前提にした、近代都市計画の体系
従来からの課題
現実の都市はスプロール的に拡大し、スポンジ的に縮小する
地方都市における縮小の実践──「空き屋活用まちづくり計画」
脱市場化に都市計画は応えられるか
□議論
中心市街地は捨てられつつある
集中という理念、分散する街の現実
現実の空間はランダムに変わる
そして縮小していく不動産市場
それでも都市開発事業はあり得るのか?
市場と政府の再デザイン

◎問5 都市計画は人と自然の関係性から出発しなくて良いのでしょうか?(村上暁信)
□問い
過剰なインフラと自然災害
「土地を読む力」の劣化
地域の環境特性を生かせないエネルギーシステム
人口減少時代の土地管理
ランドスケープ・アーバニズム~人と自然の関わりから考える~
□議論
ランドスケープを軸にしたマスタープランの実効性
誰がそのマスタープランを描けるのか?
土地利用(Fプラン)と環境保全(Lプラン)の対立~ドイツの場合~
都市開発と環境保全の対立~日本の場合~
市民参加の有効性、産業化の可能性

◎問6 都市の将来像を描くことは可能ですか?(日埜直彦)
□問い
将来像を描くことの限界
将来のための計画ではなく、現在のための計画
シミュレーションの現代的可能性
現在のための計画の意義
□議論
都市の将来シミュレーション
空間の可視化は合意形成の質を高める
シミュレーションの実効性
シミュレーション結果をどう描くか
遠い未来ではなく、近い未来を描くツール
従来の都市計画もシミュレーションは行ってきた
惰性的なルールより、多様な価値を勘定に入れたシミュレーションを!
担い手は誰か

◎問7 都市計画は「時間」にどう向き合っていくのでしょうか?(中島直人)
□問い
変わりゆく都市計画と「過去」
補助線としての「過去」
生活環境としての「過去」
そろそろ文化としての都市計画を語りませんか。
□議論
技術・コストと都市文化のせめぎあい
空き地になった土地に意味は残るのか?
外からの文化移転を時間に取り込む
都市の多様性を担保する「時間」の役割
文化としての都市計画を支えるメディア・技術とは?
ドイツにおける都市計画家、都市計画部局の位置づけ

【著者紹介】
蓑原 敬/1933年生まれ、都市プランナー

内容説明

1930年代生まれの都市プランナーと、70年代生まれの若手による、問いと議論の応酬。都市計画の現実、矛盾と展望。

目次

1部 講義編―日本の都市計画は何をしてきたのか(近代都市計画とは何だったのか;3・11で日本の都市計画は変わるのか;今、私たちが引き受けるべき課題は何か)
2部 演習編 蓑原先生、これからの日本に都市計画は必要ですか?(都市計画にマスタープランは必要ですか?;都市はなぜ面で計画するのですか?;コンパクトシティは暮らしやすい街になりますか?;都市はどのように縮小していくのでしょうか? ほか)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

だまし売りNo

3
消費者や周辺住民の権利があまりにも弱いことが問題である。だまし売りや乱開発で虐げられている消費者や周辺住民の悲鳴は止まらない。消費者や周辺住民が弱いから政府に強力な規制者を期待することは、水戸黄門に期待する前近代的な心理と変わらない。消費者や周辺住民の権利を高め、不動産業者の権利主張には消費者や周辺住民の権利主張で対抗させる方向を志向すべきである。2019/05/17

カピバラ

3
戦後の都市計画の最前線にいた御歳80歳のの蓑原先生と、四十歳前後の学者による勉強会の議事録。前半は、日本の都市計画の成り立ちのおさらいで、まさに講義そのもの。参考文献も多く紹介されているので、時間を見て消化してみたい。後半は、それぞれの視点からの問題提起を行いディスカッション。この本の中に、今後の都市計画の正解は明確に示されてはいないけれど、考える刺激となるものが盛りだくさんだった。今の都市計画制度を客観的に見るきっかけになる。2016/08/23

ja^2

2
第1部はともかく、第2部のディスカッションは出席者の問題意識が微妙にずれていて、議論がかみ合っていないように感じた。▼そうした中にあって、野澤氏や饗庭氏のコンパクトシティに対する疑問は、我が意を得たりと思えた。▼コンパクトシティは机上の模式図で考えているうちは成立しそうに思える。だが、現実は彼らが指摘するように個々の事情によってスポンジ状に穴が空いて都市は縮退する。▼そこまでは同感だ。だが、その対応策が「空き家活用プロジェクト」では普遍的な解にならない。やはり何らかの市場原理が必要だと思う。 2016/08/09

snzkhrak

2
なかなかはっきりした事は言えないし、景色は見えてこないが、それでも考え続けないとならないし、都市計画は周りの変化に応じて変わり続けないとならない、という事で、刷り込まれるイメージvs自身のありたい姿、投資の集中vs都市の持続、過去vs未来、等いろいろな仮説が立てられている書。少し長い時間軸で見れば、都市はその都市の人々、つまりは私達が持っている性格そのものであるし、リスクテイカーの最前線であるデベロッパーとしても考えを深めていきたい。2014/09/14

MADAKI

1
【都市のこれまでとこれからを俯瞰する良書】日本の都市計画の大家蓑原敬を長とする若手~中堅研究者の勉強会でのディスカッションを収めた本。2部構成で、1部はこれまでの日本の都市計画を概観し、2部では参加者がテーマを持ち寄り議論する。ぼんやりした内容になりがちなところ、本書では提供者のポジションがクリアで、議論が充実している。都市の縮退にコンパクトシティはどう立ち向かうか、自然との共生をどう実現するか、そもそも都市計画が本当に必要かなど、アフターコロナの生き方の考察にも通ずる良書。2020/06/10

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