スマート・テロワール - 農村消滅論からの大転換

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  • サイズ A5判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784761513443
  • NDC分類 611.921
  • Cコード C0061

出版社内容情報

限界集落、市町村消滅は本当だろうか。実は農業・農村にこそ成長余地がある。余っている水田や休耕田を畑や放牧地に転換する秘策

限界集落、市町村消滅!?本当だろうか。実は農業・農村にこそ成長余地がある。実現を阻んでいるのは、「瑞穂の国」幻想だ。余っている水田や休耕田を畑や放牧地に転換し、域内の工場で加工すれば、味はもちろん、価格も輸入原料による商品に負けないものができる。契約栽培で市場価格の30%オフを実現したカルビー元社長の提案。

【著者紹介】
松尾雅彦(まつお まさひこ) 1941年、広島市生まれ、1965年、慶應義塾大学法学部卒業、1967年、カルビー株式会社入社、1992年、同社社長就任、2006年、同社相談役。NPO法人「日本で最も美しい村」連合副会長、新品種産業化研究会(JATAFF内)会長

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

25
問題の本質は日本の農村がなぜ衰退するのか、誰も根拠を説明できなかった点(6頁)。自給圏(大都市部、農村部、中間部)の本(38頁~)。T.ライソン『シビック・アグリカルチャー』’04年の市民的農業:地域の市民にとって農業のあり方をライフワークとした(79頁~)。K.ポランニーの経済人類学:非市場経済が社会の健全なシステムと主張(86頁)。スマート・テロワール(ST)では農地を適切にマネジメントすれば、より快適な空間が招来(166頁)。 2015/05/03

Yuma Usui

11
欧州での農村の復興事例を研究し日本での活用を促す「スマート・テロワール」構想を紹介する一冊。元カルビー経営者で著者の松尾雅彦氏が、契約栽培の農家と食品加工会社へのメリットを解説し、日本の農村が抱える課題の解決策を提言している。経済的な役割として都市部は「かせぎ」を、農村部は「つとめ」を重視する事の利点が興味深かった。「つとめ」として家政や互酬に着目し、地域の共同体を再構築し自治経済を回す仕組みは興味深い。グローバリゼーションによる単一化からローカリゼーションによる豊かさへの価値観の転換が必要と感じた。2018/05/17

おおかみ

10
危機的状況にありながら何ら解決策を見出だせないでいる日本の農業・農村。抜本的な改革のために著者が主張する「スマート・テロワール」とは、社会の変化に対応できず過剰になっている水田を畑地に転換し、各地に自給圏を構築しようという気宇壮大なもの。しかしながらその視野は大局的で、具体的提言は実に緻密である。国内外の事例も豊富で、なるほど我が国の課題が手に取るように解る。『里山資本主義』とともに遍く読まれたい一冊。2015/04/30

Mozuku

7
カルビーの元経営者による本。 契約栽培による農村振興策について、食品加工の実践を元に語るのでかなり強い説得力がある。一方で日本の稲作偏重から畑作への転換を進めるべきという主張が核となる。瑞穂の国幻想とかモノカルチャーといった厳しい言葉が飛び出す。経験に裏打ちされた知見は参考になるが、やや欧州の事例に傾倒し過ぎていたり、著者の思想を開陳している文章もあり癖のある本ではある。 米の"偏食"から多様な食生活を選び体格の向上や長寿を勝ち取ったという表現は、翻って消費者に選ばれてきた自身のビジネスへの自負を感じる。2023/01/23

セヱマ

7
スマート・テロワール、日本で最も美しい村、実行中の市町村連携がある。山間地は牧草地に、中間地は穀物の四圃式輪栽農法(トウモロコシ、大豆、麦、緑肥)に、水利有利地は水田のまま。そして加工場をつくる。エネルギーを自給する。西欧の美しい村運動に学べ。重農主義、互酬経済、正しい産地認証制度の運用、農作業の稼働(時間稼働×性能稼働×良品)率という概念が、個人的には新しい学び。理想論に見える。理想論かもしれないが、やれることがあるのではないだろうか。食料版の里山資本主義、手元に置いておきたい良書。2022/11/22

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