内容説明
日常の出来事の中からの発見と心の奥の隠れた真実を鋭い感性とすがすがしい言葉で、ときには怒りと毒をこめた詩に結実させた茨木のり子詩集。
目次
部屋
足跡
答
さゆ
娘たち
あいつ
感情の痩せっぽち
今昔
記憶に残る
顔〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しいたけ
108
凛とした茨木のり子の姿勢が貫かれている。『静かな/日曜日の朝/食卓に珈琲の匂い流れ・・・/とつぶやいてみたい人々は/世界中で/さらにさらに増えつづける』。つぶやいてみたい、つぶやき続けていきたい、そう願う、インスタントコーヒーを慌ただしく飲み干す、忙しい日曜日の朝。2019/05/09
おくちゃん🌸柳緑花紅
45
時々無性に茨木のり子さんに会いたくなる。長い長い時の流れの一瞬を捉えて.....最後に掲載されている「問」は草にすわるという本の中にもあった。*ものすべて始まりがあれば終わりがある 私たちはいま いったいどのあたり?颯颯の初夏の風よ*小説もエッセイも好き。そして詩集も。珈琲の匂いにつつまれて読了。2013/12/02
ひ ほ
31
茨木さんの詩は強い詩が多いですね。思わず姿勢を正して読んでみました。表題の作品は珈琲の香りが漂ってきそうな詩です。2018/03/17
Maiラピ
17
『答』が好きです。ばばさまと14歳の私が目に見えるようです。『足跡』が好きです。そう、弱ってるときにこういう出会いもあるのです。『顔』が好きです。私も鹿児島で同じこと経験してまばたきのシャッター切りました。『ある存在』が好きです。私も経験者。『さくら』が大好きです。“死こそ常態 生はいとしき蜃気楼と”そうかもしれません。。。時々茨木のり子さんの詩にどうしても会いたくなります。2011/06/22
みどり
5
茨木のり子さんの詩がつよくやわく美しく、とても好きだ。とくに心に残ったのはさくら、足跡である。いまの精神常態と心に残るものはぴったし合わさっているのだろうなと思うし、時が経って違う場面や環境に立っている時にもう一度読んだら違う読み方ができ、心に残る詩も変わってくるのだろうなと感じた。 死こそ常態生はいとしき蜃気楼。2016/05/21