内容説明
豊臣家康は源家康になる必要があった。そして、ある人間たちの歴史を書き換えさせた…すべては徳川家のために。気鋭の研究者九人が、創られた歴史からの脱却を試みる。
目次
序章 既成の秀吉像を打ち壊すということ
第1章 豊臣秀吉は征夷大将軍になりたかったのか?
第2章 消えた前田玄以
第3章 「長丸」の上洛に関しての再検討
第4章 豊臣政権と北奥大名南部家
第5章 秀吉と天皇
第6章 文禄役講和の裏側
第7章 秀吉による伏見・大坂体制の構築
第8章 大坂の陣をめぐる豊臣家と徳川家
第9章 毛利輝元と大坂の陣
著者等紹介
山本博文[ヤマモトヒロフミ]
1957年生まれ。東京大学大学院情報学環教授
堀新[ホリシン]
1961年生まれ。共立女子大学教授
曽根勇二[ソネユウジ]
1954年生まれ。横浜都市発展記念館(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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楽
17
13年。論文集の二冊目■堀新「豊臣秀吉は征夷大将軍になりたかったのか?」答えは「NO」で信長に置き換えても答えは同じ。源氏将軍観と源平交替説への鋭い批判には納得。林羅山は御用学者、曲学阿世の徒だが、当時最高の頭脳の一人であり彼の作為が何百年も影響を及ぼしていることは認めざるを得ない。細川氏がどこの馬の骨ともわからぬ徳川が将軍とはと書いていたはずだが、その細川氏も幽斎の出自もあやしくなっている■堀智博「毛利輝元と大坂の陣」輝元が佐野道可を大坂方に派兵したとする史料を再検討、輝元による派兵はなかったことを論証2022/07/03
kiho
8
歴史には常に色んな説があるのだと、またそれだけ研究がなされていることがよくわかる☆ドラマでも様々なイメージで描かれる豊臣秀吉は、やはり興味深い人物…だからこそこういった本も生まれるんだなぁ。2013/11/24
なつきネコ
7
歴史学者の論文集といいながらも、読みやすかった。しかし、内容は濃い。天下をとった秀吉が苦労し、政権を維持しようとし、家康が苦労して豊臣を否定したのがよくわかる。驚いたのは、朝鮮征伐の講和に、秀吉が日本王を受け入れていた所。たしかに秀頼が日本王を次いでいけば、敵対者が日本で押しても、アジア的には難しくなる。しかし、その裏で次の戦の準備をする秀吉もなかなか恐ろしい。天皇や伝統もさほど強権ではなく、秀吉は隙間のぬい出世し、徳川は天皇を縛ったのが理解できた。昔語られた通説が崩されていく瞬間をみた一冊。2016/07/26
mushoku2006
3
たまには真面目に歴史の研究書を読みましょう。でも、あまり難しいのはハードルが高いから、難易度が低めのものをっと思って本著を手に取ったんですが、やはり厳しかった。読んでて、ちっとも面白くない。やはり、こういったものを小説家の方に読んでいただいて、それを噛み砕いて小説の形にしていただかないと・・・・・・。( ̄∇ ̄*)ゞ エヘヘ2013/05/22
onepei
3
「打ち壊す」というのは大げさかもしれないけど、おもしろい論文集。ひとつひとつが冗長でないのもよい。2013/04/22