ぼくたちが見た世界―自閉症者によって綴られた物語

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784760140398
  • NDC分類 936
  • Cコード C0011

内容説明

ニューヨークの自閉症児クラスで学んだ主人公、カムラン。級友のアンドレ、ランダル、クレイグ、エリザベス…そして恩師レベッカ。カムランは彼らを再訪する旅に出る。仲間たちのその後の人生と、彼らが見た世界を描き出すために。自らの人生に向き合うために。「自閉症」のイメージをくつがえす、感動のノンフィクション。

目次

プロローグ
第1章 アンドレ
第2章 ランダル
第3章 クレイグ
第4章 エリザベス
第5章 レベッカとアイラ―先生たち
エピローグ

著者等紹介

ナジール,カムラン[ナジール,カムラン][Nazeer,Kamran]
パキスタン人の両親のもとに生まれ、両親とともにニューヨーク、ジッダ、イスラマバード、グラスゴーなどで暮らす。ケンブリッジ大学を卒業後、イギリス政府系機関の公務員となり、政策アドバイザーとして活躍中。イギリスの各新聞、雑誌にて執筆活動もおこなっている

神崎朗子[カンザキアキコ]
上智大学文学部英文学科卒業。外資系生命保険会社の社内翻訳等を経て、第18回DHC翻訳新人賞の優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

むっちょむ

17
やはり療育のあり方で自閉症者の将来は大きく変わるんだと実感した一冊。自閉症者に関して、いろんなとらえかた、療育も様々あり、どれが正しとか間違っているとか、色々議論も聞くけど、この著者がエピローグで訴えている主張がすごく、すんなりと納得できた。この著者才能ある、という言葉で済ませたくなく、たゆまない努力で、自分の内部、仲間の自閉症者の想いを繊細に、またこちらに伝わりやすく言葉でつむいでくれたおかけで、こちらの言葉にならない想いを言語化してくれた著者と、翻訳者に感謝です。2014/12/03

スイ

11
自閉症である著者が、通っていた自閉症クラスの級友や先生達を大人になってから訪ねたことを元に書いたもの。 家族や他の人達との繋がりが不可欠で、けれどそれが非常に難しい、自閉症。 人によって濃淡もまるで違う。 自閉症でない人達から、笑い者にされたり、自尊心のために利用されたり。 胸の痛む話も多かったが、文章がウエットになり過ぎることはなく(それももしかしたら感情ではなく論理で書く自閉症の特性も関係しているのかも知れないが、でも単純に著者本人の上手さも大きな理由だろう)、こちらも落ち着いて読み進められる。2017/06/09

yostom

3
著者 カムランの旅を追いながら 人間関係、コミュニケーションについて考えさせられました。 自閉症についての解釈が変わりました。 自閉症の著者と友人達・支えてきた家族や周囲の人々の思いや姿勢に、 胸が一杯になりました。 生き方についての示唆に富んだ本でした。 カムランの視点を通して、私の世界が少し広がりました。 素晴らしい本に出会えて、良かった!2011/11/12

コーヒー牛乳

2
整然とした文調や人の心情を表現する描写力が見事。自閉症者は他者の感情を正しく推測するのが苦手だが、相手の挙動から感情を読み取ろうとしたり発言した後で話題や言葉選びのまずさに気付いて焦ったりと、感情を持ち、他者との関わりの中で暮らしているリアリティーを感じさせる一冊だ。筆者は知的レベルが高く文章での表現に非常に長けているが、知的障害のある人や、他の障害、何らかの事情で思いを表出できない人達に、自分はどれだけ思いを馳せることができるだろうかと思った。適度に自立し、適切に依存できる社会になってほしい。2020/07/30

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