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ベルンハルト短篇集 ふちなし帽

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  • サイズ B6判/ページ数 215p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784760127320
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

内容説明

―トーマス・ベルンハルトは、いわゆる「非常識」を徹頭徹尾つらぬいた作家である。俗悪な外界との齟齬や衝突、生きてこの世にあることへの嫌悪や呪詛がモチーフとして渦巻く作品世界は、深刻な様相を帯びざるをえない。しかしながら、八方ふさがりの情況を容赦なくさらけ出す筆法など痛快なほどであり、登場人物の奇矯な言動を目のあたりにすると、読者もついふきだしてしまう。そして、常識がなんだといった心境になる。表題作「ふちなし帽」をはじめ、「ヤウレク」「大工」「クルテラー」ほかベルンハルトの秀作が詰まった重量感あふれる短篇集。

著者等紹介

ベルンハルト,トーマス[ベルンハルト,トーマス][Bernhard,Thomas]
1931年2月10日、オーストリア女性の私生児としてオランダのマーストリヒト近郊ヘールレンに生まれる。1943‐47年、ザルツブルクの全寮制ギムナジウムで寄宿生活を送る。1952‐57年、ザルツブルクの音楽演劇大学モーツァルテウムで声楽・演出法・演劇術を学び、卒業後フリーの作家となる。1963年、最初の長篇『霜』を発表。1967年、短篇集『散文集』で声価を確立する。1970年、ゲオルク・ビューヒナー賞を受賞。最初の戯曲『ボリスの饗宴』も発表し、以後エネルギッシュに劇作をつづける。1975年、自伝五部作の第一部『理由』を発表。1982年、第五部『子供』の発表をもって自伝完結。1986年、最後の長篇『消去』を発表、名声は国際的にゆるぎないものとなる。1988年、最後の戯曲『英雄広場』を発表。1989年2月12日、オーバーエスターライヒ州グムンデン近郊オールスドルフの自邸で死去

西川賢一[ニシカワケンイチ]
1942年12月20日、中国の済南に生まれる。1966年、東京外国語大学ドイツ語科を卒業。出版社勤務をへて、現在フリーのゲルマニスト、翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

55
何なんだ!この文体、この世界は!というのが、読みながら感じたこと。中毒になるのか、全く合わないのか・・・の、どちらしかないと思ってしまう。読みにくいような、それでいて引きずり込まれるような。話のつながりも、ころころ変わるし、それでいて戻ったり。まさに、力業!2021/07/23

miyu

24
かのアゴタ・クリストフが自著において「本人が望むと望まざるとにかかわらず、トーマス・ベルンハルトは、いやしくも物書きを名乗るすべての者の模範として永遠に生き続けるだろう」と評していたのを目にし興味を持った。長篇「消去」にとりかかる前に小手調べのつもりで読み始めたのだが、いゃもう延々とグチグチ・チクチクの繰り返しなわけですよ。呪詛のオンパレードっての?登場人物が呟く「狂いそうだ」って、アンタとっくにおかしいですから!と何度こっちが怒り狂いそうになったことか(笑)こんな感じ、好きな人には堪らない魅力なのかも。2015/05/05

ふるい

15
小粒ながらベルンハルトの魅力が十分に伝わってくる短篇作品が収録されているので、初心者の方にもベルンハルト・フリーク(!)の方にもおすすめできそう。訳者曰く大作『消去』の補完になればとのこと。「ふちなし帽」「ヤウレク」「大工」などが印象に残った。2020/10/13

三柴ゆよし

15
いずれの作品も頭脳に疾患を抱えた人たちが出てきてごちゃごちゃとしゃべくるだけ。ひたすら内面的な呪詛の空間は、自分以外の世界を前に開かれることなく、「俺はこういう人間だ(by ビッグダディ)」式の更なる自閉を目指す。特段親しくもない知人の鬱に延々付き合わされているようなもので、正直おもしろくはない。とはいえ全篇に横溢する習作臭さをみるに、おそらくはこれがベルンハルトの真髄ではないのだろう。『消去』その他の長篇及び某氏推薦の『私のもらった文学賞』を読んだうえで、自分にとって必要な作家であるかどうか判断したい。2016/03/18

のりまき

11
「ふちなし帽」「クルテラー」「ヴィクトル・ハルプナル」「喜劇?悲劇?」「二人の教師」は楽しんで読んだ。他はちょっとだれてしまった。「ふちなし帽」はどうしても持ち主を見つけなければいけない彼に恐ろしく共感してしまった。2021/04/13

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