Dojin選書<br> 柔らかヒューマノイド―ロボットが知能の謎を解き明かす

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柔らかヒューマノイド―ロボットが知能の謎を解き明かす

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  • サイズ B6判/ページ数 209p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784759816709
  • NDC分類 548.3
  • Cコード C0353

出版社内容情報

さまざまな場面での活躍が期待されているロボット.人間と接し,人間の代わりを務める「究極の」ヒューマノイドロボットが実現するとき,それはどのようなものになるのだろうか.従来の「硬い」ロボットのままでよいのだろうか.本書では,近年注目を集めるソフトロボティクスの立場から,ヒューマノイドに「柔らかさ」が必要な理由を,ドア開け,二足歩行,跳躍などを題材に考える.仮説を立てては検証を繰り返し,着実に歩を進めるヒューマノイド研究の醍醐味を,臨場感たっぷりに伝える.

第1章 ヒューマノイドとは何か――人間に似せる理由

1・1 人間っぽさとは何か(見た目か、動きか/道具使用か/コミュニケーション能力か/環境の共有か/擬人化の問題)

1・2 ヒューマノイドの用途(労働するロボット/未知の環境に対応できるヒューマノイド)

1・3 ヒューマノイドを使った構成論的研究(アリそっくりのサハボット/人間を理解するためのヒューマノイド)

1.4 柔らかいヒューマノイド



第2章 柔らかな手を持つヒューマノイド――手を動かす構造をまねる

2・1 分割統治と硬いロボット(減速機による駆動/硬くなる身体/センサーとロボットの硬さ/すべてを制御することの代償)

2・2 手の柔らかさの役割(動きをつくる筋骨格構造/制御不要の柔らかさ/行動して観測するか、観測して行動するか)

2・3 柔らかい手が生み出す感覚(触覚センサーによる観測/柔らかさと硬さで変わる情報の質)

2・4 感覚をまたぐ学習(情報を得るための文脈/視覚と触覚の連携)

2・5 物体の認知へ(未知の物体への働きかけ/環境への働きかけと知能)

2・6 人間を模倣するということ



第3章 ロボットによるドア開けはなぜ難しいか――腕の動きから考える

3・1 人間の腕とロボットアーム(柔らかな関節/複雑な筋骨格系)

3・2 身体の構造と環境の関係(思考実験:ドア開け/ドア開けに影響する身体と環境の関係/環境と振る舞いを記述する世界座標系/顕在化する問題/シンプルな構造)



第4章 歩きだすヒューマノイド――受動的二足歩行

4・1 人間型二足歩行(人間をまねするだけでは歩けない/なぜ二足歩行は難しいか)

4・2 前に倒れ続ける受動歩行(受動歩行の考え方/多少のゆらぎを吸収する仕組み/歩行を後押しする方法)

4・3 拮抗駆動(筋肉の引っ張る力を利用する/モーターと人工筋の違い)

4・4 受動的歩行

4・5 柔らかい歩行ロボット(硬いロボットにかかる負荷/人工筋がもたらす柔らかさ)

4・6 地面を感じるロボット(センサーが少ない柔らかなロボット/環境を知るための自己受容センサー)



第5章 人間の歩行に近づくヒューマノイド――少しずつ複雑になる構造

5・1 三次元受動歩行(胴体のないロボットでは不十分/少しずつ複雑に)

5・2 歩いてみてわかること(研究方針/非線形性の壁/歩行可能なパラメーターの発見/歩き続けるための条件)

5・3 上体を持つ受動的歩行ロボット(拮抗駆動を利用した上半身の設置/理論に落とし込みにくい研究内容/役立った上体なしロボットの研究)

5・4 自立できる足部(ポイントとなる足裏の形/足首関節の柔らかさ/二次元への回帰)

5・5 複雑さの増加と質の変化(どこまでも複雑にできない/応用可能な知見を求めて)

5・6 がに股の歩行ロボット(あかちゃんのがに股/がに股仮説/シンプルに考えられる赤ちゃんの歩行/赤ちゃんの観察実験/観察実験からわかったこと)



第6章 ジャンプするヒューマノイド――柔らかさの構造と構成論的研究

6・1 止まって、歩いて、走るということ(硬さを変化させる拮抗筋/空脚R)

6・2 二関節筋(最初のジャンプまで/二関節筋の役割/空脚K/ジャンプのためのパラメーター探索/圧力を感知するセンサーは一つ)

6・3 柔らかさを形づくる(着地の衝撃を吸収する人工筋/跳躍を安定させる構造)

6・4 三次元二脚ロボット(一本脚に戻したわけ/二本脚での跳躍の難しさ)

6・5 局所的反射(人間はいかにバランスを取っているのか/反射と姿勢制御)

6・6 構成論的研究(人間を理解するために/柔らかな身体仮説)



第7章 ヒューマノイドは環境の変化に対応できるか

7・1 モデルベーストロボティクス(産業用ロボットの制御/未知の環境に対応する能力)

7・2 環境と身体の相互作用(ロボットを考慮に入れた環境のモデル化/ロボットの行動は環境との相互作用で生まれる)

7・3 繰り返し実験による未知環境への適応性評価(動きまわってデータを集める/データを集めて環境のゆらぎに対応する)

7・4 コンピューターシミュレーションの功罪(調べる対象を限定できるシミュレーション/シミュレーションへの違和感/限界のある環境のゆらぎへの対応)

7・5 繰り返し実験と適応性を生み出す並列性



おわりに 動き続けるロボットをつくるために細田 耕[ホソダ コウ]

内容説明

人間そっくりなロボット、ヒューマノイド。なぜロボットを人間に似せるのか。人間そっくりなロボットの研究から、どんなことがわかるのか。本書では、ドア開け、二足歩行、跳躍などを題材として、ヒューマノイドに何ができるのかを紹介し、身体の柔らかさと知能の関係を考察する。仮説を立てては実験を繰り返し、困難な課題にチャレンジするロボット研究。その醍醐味を、臨場感たっぷりに伝える。

目次

第1章 ヒューマノイドとは何か―人間に似せる理由
第2章 ヒューマノイドの柔らかな手―手の構造をまねる
第3章 ロボットのドア開けはなぜ難しいか―腕の構造が生み出す知能
第4章 歩きだす柔らかいヒューマノイド―受動的二足歩行
第5章 ヒューマノイドの歩行を人間に近づける―少しずつ複雑さを増す
第6章 跳躍するヒューマノイド―柔らかさの構造と構成論的研究
第7章 柔らかヒューマノイドは環境の変化に対応できるか
おわりに―動き続けるロボットをつくるために

著者等紹介

細田耕[ホソダコウ]
1965年、大阪府生まれ。93年、京都大学大学院工学研究科博士課程修了。大阪大学工学部助手、同大学工学研究科助教授、同大学情報科学研究科教授などを経て、大阪大学大学院基礎工学研究科教授。博士(工学)。専門は、ロボティクス。おもな研究内容は、生物を規範としたロボットによる適応的な運動知能に関する構成論的研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Jun Sasaki

22
元ロボット研究者として、Twitterで先生のお名前を偶然発見し拝読。減速機の存在は単にトルクを増すだけでなく、摩擦によって外界と内界を切り離す役目を持つ、というくだりは、当たり前のように使っていたけど新たな知見。分割して構造把握、二次元で解明してから三次元へ拡張というアプローチも同じ。生物は長い淘汰の果てに得た、二足歩行と知的活動に適した機構の完成形。それを最適解で動かす脳の機能も高等。それが赤ちゃんであっても。2022/03/21

kiki

7
人間の精密な行動を表現するには柔らかさが重要。しかし、この柔らかさが現代の技術を持ってしても再現が難しく、単に立たせることすら困難。その難しさは制御にある。歩くという行為には単に下半身だけでなく、上半身の動きも制御がいる。跳躍を安定させるためにあえて反応の悪いモーターを使うことで、力の逃がし方を加減できる。複雑な環境では未知な動き(ノイズ)を推定する。ノイズをカルマンフィルターとよばれる状態推定法を使い、未知成分を確率でモデル化している。2017/03/20

Humbaba

5
人間のことを知るために、人間ではなくてロボットを研究する。一見すると遠回りをしているように感じるかもしれないが、ロボットだからこそルールを明確に定めることができるし、それを少しずつ変えていくことで何が影響をしているのかを調査もできる。それだけで全てが明確になるわけではないが、考えるための指針は立てやすくなる。2016/08/25

gachin

1
文面からパワフル系研究者の印象を受ける。/「咄嗟の判断が必要になる場面でのロボット操作では、ヒトにとって直感的な操作性であることが重要」という文を読んで、「(機能性が同等なら)祖先的な制御系にとって動かしやすい身体的形質の方が獲得され易いだろうな」と思った。これも一種の内部淘汰か。/ p.157外側広筋が二関節筋になってる哺乳類は寡聞にして知らない。太い大腿二関節筋ということなので半腱様筋との取り違えか?/ 刊行時は人類学などの生物系とのコラボ開始期のようだ。解剖学的知見が取り込まれた続報を是非読みたい。2020/10/23

Ryo Sogawa

1
ヒトの持つ運動機能はどのように実現されているかをヒューマノイドロボットの設計と試作を通じて解き明かそうとする研究の自己紹介。2019/12/23

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