内容説明
ヒトの病気の原因を進化の過程に求める「進化医学」。本書は遺伝子のレベルから進化と病気の関係をとらえる。遺伝子は長い時間スケールで変化(進化)する。その変化が病気と結びつくとはどういうことか。ビタミン合成の能力を失ったことによる壊血病、尿酸が抗酸化の機能を肩代わりしたことで起きる痛風などの例を引きながら、遺伝子の変化が即座に病気に結びつくわけではなく、生活環境の変化スピードとのミスマッチによって発生するという視点を提供する。
目次
序章 進化学の視点とは?
第1章 ゲノムと遺伝子
第2章 遺伝子が進化する
第3章 ヒトの系統
第4章 壊血病と色覚変異―霊長類の進化とその代償
第5章 痛風―類人猿の進化と病気
第6章 環境変化と生活習慣病、遺伝子の傷と病への抵抗性
第7章 進化するヒト
終章 進化と環境と疾病
著者等紹介
颯田葉子[サッタヨウコ]
1986年お茶の水女子大学理学研究科修了。90年理学博士(九州大学)。現在、総合研究大学院大学先導科学研究科生命共生体進化学専攻教授。専門は、進化生理学、ゲノム進化学。とくに免疫に関する研究と、ヒトの進化に関する研究を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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