内容説明
生物多様性はなぜ大切なのか、なぜ保全しなければならないのか、生物多様性が失われたときどんな影響が出るのか。今後も私たちが豊かな自然と共生していくためには、どのような考えのもと、なにを実行していく必要があるのだろうか。かけがえのない多様な自然から、さまざまな恩恵を受けて生きている私たち人間。生物多様性の意味、仕組み、進化、保全を横断的に考え、その本質を理解するうえでの必読書。
目次
第1章 いろいろな生きもの、さまざまな自然
第2章 なぜこんなにいろいろな生物がいるのか
第3章 どのようにして多様になってきたのか
第4章 生物多様性の価値―なぜ重要なのか
第5章 失われゆく自然や生きもの
第6章 温暖化が生きもののくらしに及ぼす影響
第7章 拡大する野生との軋轢
第8章 未来に向けて
著者等紹介
樋口広芳[ヒグチヒロヨシ]
1948年横浜生まれ。東京大学大学院農学系研究科博士課程修了。農学博士。東京大学農学部助手、米国ミシガン大学動物学博物館客員研究員、(財)日本野鳥の会・研究センター所長を経て、東京大学大学院農学生命科学研究科・教授(生物多様性科学研究室)。専門は保全生物学、生態学、鳥類学。日本鳥学会前会長、The Society for Conservation Biology Asian Section前会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まつし
4
本書では、まず著者は地球には様々な生命が育まれており、それぞれが互いに関係しあっていることを言及する。 そして、人間が環境破壊や環境汚染などで自然を破壊していることに触れ、その結果として生物バランスの崩壊や獣害などが発生していることを説く。 最後に、生物多様性の重要さと、それの保全・保護の大切さを主張し、様々な生命が活動している地球の環境保護について言及する。 本書を読むことで、私たちは我々が住んでいる地球の自然について知れると同時に、生物多様性の重要さについても教えてくれる本である。2017/09/07
愛奈 穂佳(あいだ ほのか)
4
【ココロの琴線に触れたコトバ】かけがえのない独自の生きもの世界、長い進化の歴史の中で誕生してきた生き物や自然の世界を保全することが、生物多様性保全の基本であり、単に珍しい動植物の種が多数いればそれでよいとする考えとは異なるところだ。2015/07/31
Rose finch
0
一般向けなので軽く読める。ただ、生物多様性を完全に保護するのはもう無理な気もする。2014/11/25