内容説明
事故のきっかけになる人間のまちがい、ヒューマンエラー。それはときとして深刻な事故を招く。甚大な被害をもたらすヒューマンエラーは、どうやって防げばよいのか。本書では、事故の発生する過程に注目して、事故をその構造から捉え直し、ヒューマンエラー抑止の理論を考察。さらに、すぐに役立つ実践的なテクニックの一端を、問題形式で紹介する。
目次
第１章 ヒューマンエラーとは何か
第２章 なぜ事故は起こるのか
第３章 ヒューマンエラー解決法
第４章 事故が起こる前に…ヒューマンエラー防止法
第５章 実践ヒューマンエラー防止活動
第６章 あなただったらどう考えますか
第７章 学びとヒューマンエラー
著者等紹介
中田亨［ナカタトオル］
１９７２年神奈川県生まれ。２００１年東京大学大学院工学系研究科博士課程先端学際工学専攻修了。博士（工学）。現在、産業技術総合研究所デジタルヒューマン研究センター研究員。人間の行動メカニズムを情報学・認知科学の観点から解明する研究を進めている（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本詠み人
38
産業・組織心理学Ⅰのレポート課題の参考図書。ヒューマンエラーを防ぐためのデザイン原則について、参考となる記述や実際のモノの写真が添えられていて、分かりやすい内容だった。機会があれば増補版も読みたい。◎2023/06/24
モリー
26
この本の第一版は2007年に出ています。また、“ヒューマンエラー”がタイトルに含まれる本が相当数あります。従って、この言葉は人口に膾炙して久しいと思われます。横文字なので近年、航空機事故などの重大事故の発生によってクローズアップされるようになったのでしょう。しかし、人類はその起源から現在までエラーと付き合ってきました。そして、それを取り扱い、活かす知恵も既に古典の中に示されているという事を知りました。古代中国の『説苑』やプラトンの『メノン』、吉田兼好の『徒然草』等。最終章は教育に関心がある方にもお勧め。2018/10/27
zoe
13
臨界状態と決別状態の違い。論理的に同じでも、より気づきやすい方法。人間と作業が合ってないといけない。楽しければ眠らない。自分の名前が入る仕事は丁寧になる。完全に放棄すると事故は起こらない。字は丁寧に書くこと。人の和を作る。記憶と効果。向きの呪い。2017/06/18
まゆちん
8
仕事で少し思い悩んで手に取りました。直接的な答えではなかったものの、事例も多く、解り易かったと思います。特に『問題の捉え方』は確かに『やり方』に拘るなぁと思いつつ、他にやり場がないことも事実で悩ましい。。。オススメされている本も興味深いので、機会あれば読んでみようと思います。2013/10/09
misui
5
ヒューマンエラーを「麻雀やポーカーの役のような」複合的なものと考え、問題の解決・防止を図るとともに、エラーが起きた原因の原因へと掘り下げて多角的・大局的に捉える姿勢を促す。そもそも問題を完全になくすことは困難（第一番の問題を取り除くと、第二番が昇進する）であり、次に現れる問題に対して常に構えていなければならない。また、縦割りによる専門化で責任が拡散することへの注意を喚起し、環境・組織全体が問題に取り組む必要があるとする。個人的にはエラーを起こさせ利用するという方法が意外だった。2011/06/24
