内容説明
好んで通っていた京都の美しい寺で、不思議な女性に出会った若き陶芸家。彼が誘われた世界とは―(「白い椿の咲く庭」)。猫を飼えない暮らしがどうにももの足らず、空想上の猫“いないいないばあ”を飼うことにした夫婦の猫愛がいとおしい「笑い猫飼い」。信太少年が乾物屋の店先で見かけた、どうも様子のおかしなおさむらいのお話(「ばけねこざむらい」)など。心から猫を愛した作家の筆から溢れ出る、猫ならではのふしぎな魅力満載の短篇十一作品を収録。すべての猫好きに贈る一冊。
著者等紹介
今江祥智[イマエヨシトモ]
1932年、大阪府生まれ。同志社大学文学部卒業。中学教師、編集者を経て作家活動に入る。代表作に、『山のむこうは青い海だった』、『ぼんぼん』(日本児童文学者協会賞)と、その続篇『兄貴』(野間児童文芸賞)二作品に『おれたちのおふくろ』『牧歌』を加えた四部作(路傍の石文学賞)などがある。2015年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
115
[にゃんこまつり2021] 古本屋さんの棚で偶然に見つけた本です。10代の若い頃に読んだ児童文学『山のむこうは青い海だった』に感動し、今江祥智さんの名前を覚えました。児童文学の世界でたくさんの章を受賞している今江祥智さんが、こんなにもたくさんの猫のファンタジーを書いておられるとは、たいへんに嬉しいサプライズです。どの短編も、猫のふしぎな魅力にあふれています。今江さん、心から猫を愛していたんだなぁと、想像できます。猫好きの方にはたいへんお薦めです。2021/02/19
千穂
39
全編、猫が登場する短編11話。童話あり、ちょっと時代を感じさせる話あり、フランスが舞台になったり。様々な名前の猫が登場する。クレというのはフランス語の鍵と言うことなのね〜間違えて日本まで連れ帰られ、再びフランスに戻り同じ名前のクレと二匹で暮らし、そのうち小さなクレが増えて〜〜夢いっぱいで幸せな気分になります。2017/05/21
ちょん
16
可愛い表紙と合間にある猫の挿絵素敵すぎな1冊! 初読みの作家さんでしたが、あーこの人はネコ好きなんだなぁとひしひしと伝わってきました(´v`) いつも読んでる毒々しかったり、ドロドロした話とは全然違う童話のような世界観も良かったです(♡˙︶˙♡)またこの作家さんの猫話を読みたいです(^w^)2017/01/08
Ribes triste
10
今江祥智さんの物語が好きです。挿絵は宇野亜喜良さんのゴールデンコンビで、また読めるのが嬉しい。題名通り、全編猫のでてくるファンタジー短編集です。今回の再版で今江さんの遺作が収録されていました。期待を裏切らない、優しい不思議な物語でした。2016/10/24
HaruNuevo
8
お日様のぬくもり、新緑のほのかな香り、ノスタルジー、ほんのりとした心の温かさ、そういった要素をまとめるのが、ねこ。 ねこを題材にした掌編集、ねこ好きにはたまらない一冊。『日なたぼっこねこ』は、Google Earthでシュノンソーの街並みとお城を眺めながら読んだ。2023/07/13