内容説明
元毎読新聞の記者・藤中太郎は、自らが辞める原因となった次期総裁候補・鏑木が利権を貪る地方都市に再就職した。就職先は気骨ある社長の武富に社員はもう一人という零細紙だが、藤中は使命感に燃え、敢然と鏑木の金権構造にメスを入れた。そんな藤中に、度重なる妨害工作が襲い、ついには殺人事件が…。しかし、社長の一人娘・淳子と交わした約束を守るためにも、藤中は戦い続ける!ジャーナリズムの良心、社会的責任を鋭く問う、森村ミステリーの傑作長篇。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年、熊谷市生まれ。青山学院大学卒。69年、『高層の死角』で江戸川乱歩賞、73年、『腐蝕の構造』で日本推理作家協会賞、2003年、第7回日本ミステリー文学大賞を受賞。推理小説、歴史小説、ドキュメントと幅広く活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コットン
6
先ず画像には角川春樹事務所と入っていますが、女性が淳子としても表紙は持っている中公文庫のがすっきり、好みです♪タイトルも珍しい感じで注目していました。照れ臭い感じが最高です。 森村さんの作品にはよくカッコイイおじいちゃんが颯爽と登場します♪武富社長も立派です。地方新聞は生きている!そしてパチンコ玉が凄すぎました!!!2020/02/28
nagata
1
「人間の証明」「悪魔の飽食」と同じ作者とは思えないタイトル!と思って手にした本。社会派作家とは勝手な個人的思い込みだが、推理小説家としても、話のテンポはわかりやすい、というよりは簡単に過ぎるか、というくらい。帯の「ジャーナリズムに正義はあるのか?」って言われても、ここまで悪徳代官的な政治家もいないよな、と思わず。巨悪こそ目立たぬように悪事を働く。2016/05/12