内容説明
友人と旅行代理店を経営している四十二歳の鞠子は、十一歳も年下の男と付き合っているが結婚する気はない。そんな鞠子が、亡くなった父から相続することになった元遍路宿の古民家を訪れ、その家で古い遍路日記を見つける。四国遍路で果てる覚悟の女遍路が戦前に書いたと思われる旅の記録。彼女はなぜ絶望し、自分を痛めつけるような遍路旅を続けたのか。女の生と性に揺れる鞠子はこの遍路日記にのめり込んでいく―。
著者等紹介
宇佐美まこと[ウサミマコト]
1957年愛媛県生まれ。2006年、「るんびにの子供」で第1回『幽』怪談文学賞短編部門大賞受賞、同作品を含む短編集『るんびにの子供』で作家デビュー。2017年、『愚者の毒』で、第70回日本推理作家協会賞“長編及び連作短編集部門”受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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