内容説明
真田信繁(幸村)の最後の刀となった名刀「茶臼割り」。海野・真田一族らの歴史を見つめた稀代の日本刀。謀略に満ちた北関東の戦国時代を描く傑作歴史小説の登場!
著者等紹介
東郷隆[トウゴウリュウ]
1951年神奈川県生まれ。國學院大学卒。同大學博物館学研究室助手、編集者を経て作家となる。94年に『大砲松』で第15回吉川英治文学新人賞を受賞。2004年『狙うて候―銃豪村田経芳の生涯』で第23回新田次郎文学賞を受賞。12年『本朝甲冑奇談』で第6回舟橋聖一文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ポチ
21
茶臼割り(鬼丸国綱)を所持していた、海野輝幸の物語。内容は面白かった。真田氏とは同族。昌幸・幸村がその後所持したが、その話は最後にほんの少しだけ。タイトルは真田名刀伝で間違ってはいないが、なんとなくしっくりこない。大河ドラマに便乗⁉︎2016/04/10
ソババッケ
8
信州~上州に勢力を張る海野一族、真田一族もその庶流に当たる。その海野一族の中に海野能登守輝幸という剣豪がいた。かの塚原卜伝に師事し、「茶臼割り」という長刀を操る男。時代は武田晴信が頭角を現したころ、真田家は幸隆の時代。最後まで関東管領家に忠節を尽くし、最後は信玄に臣従することになるが悲劇が待ち受けていた。名刀には運命づけられ太刀に憑く巫女が現れるという物語の設定は伝奇めいて面白いが、話の展開には盛り上がりがなく、やや残念である。ただ、武器に詳しい作者のこと、刀剣類の薀蓄はさすがである。★3.22016/05/28
あここ
7
真田に惹かれたわけじゃないけど・・真田?海野家の話だよなぁ。ざっくりざっくり言うと海野三男、能登守さんが名刀「茶臼割り」の持ち主で活躍したってゆう話、としか分からんかった。巻頭の登場人物はまぁ役立ったけど地図が全然分からんかった。どこがどこだか。あんまり関係なかった気もするけど。「茶臼割り」もすごいんやろうけど使い手の力もすごいんやろう。戦に山ほど行って結構長生きしてはるって運が強い。最期が切ないや。息子と相対死に・・武士って融通効かへんなぁ。選択がいちいち命懸けって怖すぎる。あぁ戦国。2016/04/08
つばき
3
てっきり真田の数々の武具のお話かと思ったら、タイトルに偽りありですが、作者ならではの情報量は圧巻です。大河に乗っかったとしても、なかなか題材にならない人物が主役の本が読めるのも嬉しい。時勢を読む目と、小競り合いといっていいような争いを繰り広げて目まぐるしく戦国は動いていったんだろうと思うと感慨深いです。2016/06/22
Kyouji Karino
2
東郷隆さん、様々な史料に当たった上で、淡々とした語り口に迫力があり期待を裏切らない。真田というよりは海野一族が上杉、北条、武田の勢力争いに翻弄された時代の話。真田一族が昌幸中心に異彩を放った理由もわかるね。2016/04/20