内容説明
福祉にかかる費用(年金や健康保険など)は、一般的に、削減すべき(あるいは抑えこむべき)コストだと考えられている。しかし、これが「投資」だとしたら?つまり、不慮の出来事から個人を守るだけでなく、個人の経済的自立を促すとともに、自分の運命を、自らの力で対処できるようになるための、「未来への投資」であるとしたら?社会学の権威であるアンデルセンが、こうした社会的・政治的革命の世界にあなたを誘います。
目次
1 家族の変化と女性革命(女性が世界を変える;家族と福祉レジーム;新たな政策に課せられた挑戦;生涯にわたって女性の就労を支援する;男性のライフスタイルを女性化させる;国家、市場、各種団体による新たな役割分担)
2 子どもと機会平等(新たな挑戦;増加し続ける障壁―所得不平等の拡大;社会的相続というメカニズムを暴く;福祉国家を再考する;結論―家族の子どもへの投資を支援する)
3 高齢化と公平(福祉レジームと高齢者;世代間の公平;今日の子ども世代のための年金改革―世代間契約を超えて;年金改革は乳幼児から始めろ)
著者等紹介
エスピン‐アンデルセン,イエスタ[エスピンアンデルセン,イエスタ][Esping‐Andersen,Gosta]
ポンペウ・ファブラ大学教授(スペイン)。1947年デンマーク生まれ。ハーバード大学、ヨーロピアン大学、トレノ大学などを経て、現職。福祉国家研究、比較政治経済学において今日もっとも重要な論者として大きな注目を集めている
京極高宣[キョウゴクタカノブ]
国立社会保障・人口問題研究所所長。1975年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了、同年日本社会事業大学専任講師、79年同助教授、87年同教授を経て、95~2005年日本社会事業大学学長、2005年より現職。厚生労働省社会保障審議会委員(~2007年10月)、内閣府中央障害者施策推進協議会会長
林昌宏[ハヤシマサヒロ]
翻訳家。1965年愛知県生まれ。名古屋市在住。立命館大学経済学部経済学科卒
パリエ,ブルーノ[パリエ,ブルーノ][Palier,Bruno]
フランス国立科学センター(CNRS)のメンバーであり、パリ政治学院にて教鞭をとる。フランスならびにヨーロッパ諸国の福祉制度をはじめとした社会政策の比較研究を専門とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。