テヅカ・イズ・デッド―ひらかれたマンガ表現論へ

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  • サイズ A5判/ページ数 309p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784757141292
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0095

内容説明

マンガ表現論の新パラダイム。

目次

第1章 変化するマンガ、機能しないマンガ言説(なぜマンガ言説は、現状に対応できないのか?;「読み」の多様さとシステム論的分析の必要性 ほか)
第2章 切断線を超えるもの―いがらしみきお『ぼのぼの』の実践(いがらしみきおの認識;『ぼのぼの』と『動物化するポストモダン』 ほか)
第3章 「キャラクター」とは何か(「キャラ」とリアリティ;『NANA』は「キャラ」は弱いけれど、「キャラクター」は立っている ほか)
第4章 マンガのリアリティ(マンガにおける近代的リアリズムの獲得;「コマわり」とは何か ほか)
第5章 テヅカ・イズ・デッド―手塚治虫という「円環」の外で(手塚治虫という円環;より開かれたマンガ表現史へ ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りんご

51
ものすごく高度な、難しい分析してる。大学の講義みたいだな、と思ったら東京工芸大学マンガ学科准教授でいらっしゃいました。漫画を読む。面白い。じゃあどこがどう面白いのかをとことん考えていくとこうなりますか。未読の「GUNSLINGER GIRL」ってのをぜひ読んでみたくなりましたね。2024/02/21

11
マンガの表現にフォーカスを当てた評論。「面白い/面白くない」の漠然とした議論を「表現史」で読み解こうという提案にはなるほどと思った。まだ体系化されておらず可能性の多い分野に感じた。私自身が戦前戦後のマンガや言説に明るくないためか、深く理解できなかった部分もあった。議論の大筋は手塚リスペクトの流れを踏んでいるため、マンガを知りたいならまずは手塚治虫を読めということなのかもしれない。マンガの読み手よりも書き手側の議論に近い。2014/06/29

ミツ

7
いいタイトル。マンガ表現の諸要素(キャラ、コマ構造、言葉)と変遷を分析することを通して手塚治虫亡き後の「マンガの現在」を語ることを目指した意欲的な作品。従来のマンガを巡る言説を参照しつつその現状に批判を加え、『ぼのぼの』『動物化するポストモダン』を背景に80年代後半の断絶とマンガのモダンに迫る。『NANA』からキャラ/キャラクターの分割を提唱し、マンガの起源とされ制度となっている手塚治虫の作品及び言説を見返すことを通して見出される新たなマンガ表現史は目から鱗である。明晰でカッチリとした分析がすばらしい佳作2011/07/21

テキィ

6
上から目線で恐縮だが、とても良く書けている。ガンガンやコンプティーク、電撃を読まない、そこで断絶があるっていうのは良くわかる。キャラとキャラクター、マンガのおばけウサギのおばけの概念はまだしっくり腹にこないが…。マンガは極めて無意識に読めてしまう部分が多いのだなと改めて思った。The Smith 懐かしいね。2011/01/13

ハイザワ

5
漫画に描かれる「キャラ」はどこまで行っても「人間」ではない。しかしこのキャラ性は、現実の身体を仮構する「キャラクター」概念によって隠蔽されてきた。その隠蔽の(捏造された)起源を手塚治虫に見出し、近代的なリアリズムに基づく表現から解放された新たな表現を論ずる必要性を主張したのが本書である。人間でないキャラから人間らしい感情を読み取ってしまうのは不思議な現象だと思う。この間読んだ『月曜日の友達』からも似たようなことを感じた。ここではあまり触れられていなかったけれどジャンルの問題はかなりでかいような気がする。2018/03/19

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