叢書《制度を考える》
比較歴史制度分析

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  • サイズ B5判/ページ数 446p/高さ 23cm
  • 商品コード 9784757141247
  • NDC分類 332.04
  • Cコード C3033

内容説明

制度とは何か。それはなぜ存続し、どのように変化するか経済史、ゲーム理論、心理経済学、政治学、社会学等における重要な知見を統合した、比較歴史制度分析の幕開け。歴史研究とゲーム理論の新たな融合。

目次

第1部 準備(イントロダクション;制度と取引)
第2部 均衡状態にあるシステムとしての制度(自律的秩序による契約履行制度―マグリブ貿易商の結託;国家の触手から所有権を守る―商人ギルド;内生的な制度とゲーム理論分析)
第3部 歴史的過程としての制度のダイナミクス(内生的制度変化の理論;制度の軌跡―過去の制度は現在の制度にどのような影響を及ぼすか;国家の建設―ジェノヴァの興亡;制度の軌跡とその起源―文化に根ざした予想と社会組織)
第4部 比較歴史制度分析における実証の方法(個人的関係に依存しない取引の制度的基礎;理論―歴史対話型の文脈に依存した分析)
第5部 結論(制度、歴史、発展)
付録

著者等紹介

グライフ,アブナー[グライフ,アブナー][Greif,Avner]
1955年テルアビブ生まれ。テルアビブ大学卒(経済学、歴史学専攻)。ノースウェスタン大学でゲーム理論などを学び、Ph.D.取得。スタンフォード大学経済学部准教授を経て、同大学教授

岡崎哲二[オカザキテツジ]
東京大学大学院経済学研究科教授。1981年、東京大学経済学部卒業。1986年、東京大学経済学博士。東京大学社会科学研究所助手、東京大学経済学部助教授を経て、1999年より現職

神取道宏[カンドリミチヒロ]
東京大学大学院経済学研究科教授。1982年、東京大学経済学部卒業。1989年、スタンフォード大学経済学博士。ペンシルバニア大学助教授、プリンストン大学助教授を経て、1999年より現職。主な研究分野はゲーム理論(特にくり返しゲームと進化ゲーム)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

90
比較歴史制度分析とはいうものの、どちらかというと広い意味での経済史なのでしょうね。私は西洋経済史講座を読み返したばかりなので頭にすんなり入ってきました。大著ですが比較的読みやすく、読んでいてフェルナン・ブローデルの大著の「地中海」を思い出しました。いい本だと感じました。再度読みたい気もします。2016/03/22

壱萬弐仟縁

11
制度とは、行動に一定の規則性を与えるさまざまな社会的要因が形成するシステム(27頁)。33頁に交通ルールの説明。人々が別個に保有している文化に根ざした予想を変えるのは難しく、組織は自らをもたらした文化に根ざした予想を反映し、<組織と文化>(括弧は引用者)に根ざした予想が、戦略的状況と制度の歴史的進化に影響を与える(257-8頁)。<共同体責任制>(括弧は評者)は、共同体間の個人的関係に依存しない取引を通じて効率性を高めた(290頁)。文化分析は利益や物質厚生追求が道徳的に適切と考えるように促す制度を強調。2013/09/11

深窓

2
付録の神取先生のゲーム理論についての解説だけ読了。本文の理解は当分できそうになかった。2013/06/09

メルセ・ひすい

2
13-68 赤12-44 中世後期(1050年~1350年頃) 地中海イスラム経済の研究 この時代、ヨーロッパでは市場の拡大が、そして、著名な歴史家達が「中世後期の商業革命」と呼ぶほどにイスラム商業的統合の全盛期を謳歌していた。しかし、有効に機能する市場や経済的に有益な政治形態が、アル歴史的な状況下では普及して、他では普及しなかったかを歴史から学ぶことは我々の知見を前進させることが期待できるのでは・・・ここ(中世後期イスラム地中海)での研究は驚くほど希薄である。                     2010/04/15

鉱物

1
比較制度分析に関する訳書は翻訳が残念なものが多い。原著を読んだ方がいいと思う。あるべき政治体制について、ノースと比較すると面白い。相変わらず、個人は経済合理性という色で塗りつぶされているが、それでも文化や社会を考慮対象にとりいれるという方向性は正しいと思う。個人主義/集団主義の視点は安易に日本に適用されてよいものではないが、参考にはなる。2015/06/24

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