NTT出版ライブラリーレゾナント
マンガ学への挑戦―進化する批評地図

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784757140844
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0095

内容説明

マンガを語る「枠組み」の問題を整理する必要を感じ続けてきた筆者が、様々な領域にまたがる問題群に橋をかけ、筋道をつける。進化し続けるマンガ批評の現在を見渡す地図を作る試み。それが、本書である。マンガを愛するすべての人におくる必携・必読の書。

目次

第1章 マンガの伝わり方
第2章 マンガの論じ方
第3章 マンガと批評
第4章 マンガ家とは何か
第5章 小集団システムとしてのマンガ
第6章 市場としてのマンガ
第7章 社会からみたマンガ
第8章 著作権・マンガ・世界
第9章 マンガ批評小史
第10章 あらたなマンガ論の枠組み

著者等紹介

夏目房之介[ナツメフサノスケ]
マンガコラムニスト。1950年東京生。青山学院大学史学科卒。出版社勤務後、マンガ、随筆、マンガ評論などを手がける。’99年、マンガ批評への貢献により朝日新聞社手塚治虫文化賞特別賞受賞。同年、「現代日本短編マンガ展」(国際交流基金主催)を監修し、パリを初め欧州各地を巡回。NY、パリ、ケルン、ロンドン、香港など世界各地で講演。NHK「BSマンガ夜話」レギュラー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

阿部義彦

15
マンガ夜話でお馴染みの漱石の孫、夏目房之介さんの漫画評論試論の様なものです。導入として、マンガ夜話の「いしかわじゅん」像の流通と言う題で、番組の「面白さ」を分かりやすく特徴づけた事で1席打ぶちます。この番組は生放送で台本が無いので、人さえ集めればひたすら写して時間になれば止めるので低予算で済むのでコスパが良いのです、ゲストの選び方が肝要で如何にその本に夢中になっている人を持ってくるかにかかってます。そこで揉まれた夏目さんの進化する批評論実に興味深く読ませて貰いました。やはりつげ義春は避けて通れません。2023/01/06

Arowana

3
読者、作家、批評家という三者を経験した著者が今までを振り返り、実存と客観の両視点から作品(テクスト)、主体(送り手・受け手)、社会(構造)、歴史(系譜・文化比較)などについて真面目に語った本。これは漫画に限られた問題ではなく、そこを出発点にしながらも本質的な内容なので決して矮小な身内話に収まる本ではないと思う。他にもBSマンガ夜話やマンガ産業、スタッフ内の実情、著作権の話があり、特に作家本人(ちばてつや、つげ義春)の作品やコメントをもとにした作家の無意識、表現意識の考察はとても深く、ぐっと引き寄せられた。2013/03/24

猫森

1
(本文P.46より)いわば批評は読者・受け手としての自己表現なのであると。(本文P.182より)米沢は〈語られた物語と、読み取られた物語は、必ずしも同一のものではない。〉し、〈あなたにとってのマンガは、僕にとってのマンガではないのだから……。〉としながら、しかし〈マンガの物語を読み取ることとは、実は自らの中の物語を読むことである。〉 二次創作の原動力、いやモチベーションというか心理を解き明かしているような一文。2016/09/13

酔花

1
「マンガ学」について、歴史的・文化的・社会学的側面など、多角的な視点を用いてそれぞれ触れられており、包括的にこの問題を眺めるには向いていると思う。ただ、自分は最後までよんでみて、じゃあ結局「マンガ学」ってなんなのよという疑問に回帰してしまった。あとがきで著者が述べているように『マンガの深読み、大人読み』を読めば、もっとイメージがつかめるのかもしれない。2011/05/10

tktn

0
内容とあんまり関係ないが、72ページの『あしたのジョー』からの抜粋はたしかにすごい。そこまでの話の流れを全く知らない僕にも、力石徹が死んだことの重みが伝わってきた。死者を光源として描く、というかなり特殊な手法を使いつつ、部屋全体を冷静な俯瞰視点が見下ろしている。この組み合わせによって、力石が光を放っている、という主観的なものの見え方が相殺(?)されている、という気がする。2012/12/14

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