叢書「世界認識の最前線」
ソーシャルパワー:社会的な“力”の世界歴史〈1〉先史からヨーロッパ文明の形成へ

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  • サイズ A5判/ページ数 637p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784757140448
  • NDC分類 361
  • Cコード C0036

内容説明

経済・軍事・イデオロギー・政治―4つの“力”の創造的相互作用をディアレクティクに分析。「国民国家」がつくりあげた一元的社会観を打ち砕き、真の世界歴史を構築する。すぐれて今日的問題意識から生まれた歴史社会学の記念碑的成果。

目次

社会とは組織された「“力”のネットワーク群」である―あるいは、一元的社会観と訣別するための序論
先史時代の人びとは“力”を回避した―あるいは、一般社会進化の行き止まり
メソポタミアはシュメールの地に、文明が出現した―あるいは、階層化と国家と多国家ネットワーク
インダス流域、中国、エジプト、メソアメリカ、ほか―あるいは、文明のモデルとモデルを逸脱した文明
アッカドのサルゴンが最初の軍事支配帝国を築いた―あるいは、征服のロジスティクスと帝国の弁証法
インド・ヨーロッパ語族の活動と鉄の伝播―あるいは、ネットワーク群の拡大と多様化
フェニキア人とギリシア人が拡げた世界―あるいは、分権的な多重アクター文明の形成
アッシリアとペルシアに見る帝国の支配戦略―あるいは、コスモポリタニズムの拡大と深化
ローマがつくりあげた大いなる領域帝国―あるいは、「軍団経済」がもたらした繁栄と崩壊
ローマを超越し、キリスト教世界へ―あるいは、帝国の矛盾の解決としてのキリスト教
儒教、イスラーム、ヒンドゥー教カーストをめぐって―あるいは、救済宗教はいかなる社会を生み出したか
ヨーロッパ発展の原動力1 八〇〇‐一一五五年―あるいは、「暗黒」中世が育んだ飛躍のダイナミズム
ヨーロッパ発展の原動力2 一一五五‐一四七七年―あるいは、封建国家の終焉と調整的国家の台頭
ヨーロッパ発展の原動力3 一四七七‐一七六〇年―あるいは、有機的国民国家の形成とヨーロッパの拡大
ヨーロッパのダイナミズムはこうして生まれた―あるいは、資本主義‐キリスト教‐国家の関連と発展
ヨーロッパ文明における世界歴史の発展パターン―あるいは、〈力〉の創造的相互作用と歴史の偶然

著者等紹介

マン,マイケル[マン,マイケル][Mann,Michael]
1942年英国マンチェスタ生まれ。オクスフォード大学で博士号を取得。エセックス大学上級講師、ロンドン大学政治経済学部(LSE)講師を経て、1987年よりカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)社会学部教授を勤める。専攻は歴史社会学。研究関心は幅広く、人類学・民族学・政治学・経済学などに精通。近年は、ファシズム論、ホロコースト、民族浄化の歴史に関する書物を執筆。なお、本書によりアメリカ社会学会最優秀学術出版賞(1988年度)を受賞した

森本醇[モリモトジュン]
1937年、北九州市生まれ。東京大学文学部イギリス文学科卒業。出版社に勤務の後、現在はフリーの編集者・翻訳者。山口県在住

君塚直隆[キミズカナオタカ]
1967年東京生まれ。上智大学大学院史学専攻博士後期課程修了。神奈川県立外語短期大学助教授。博士(史学)。近現代イギリス政治外交史を専攻
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