たかがバロウズ本。

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  • サイズ A5判/ページ数 447p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784756330161
  • NDC分類 930.28
  • Cコード C0098

内容説明

ジャンキーでおかまで妻殺し。カットアップで文学史上に金字塔を打ち立て、アングラの帝王にして、画家、俳優、CMタレント…。どこまでも自由を追求したその先にあったものは?「真実などない。何もかも許されている」バロウズ研究の決定版。

目次

第1部 総論(はじめに;バロウズの二つのスタイル)
第2部 ウィリアム・バロウズの自由:その生涯と作品、そして既存評価について(ウィリアム・バロウズ:履歴書;バロウズの小説;他人の評価)
第3部 ウィリアム・バロウズの不自由:ことばと記憶と死をめぐって(バロウズ世界の経済・政治・社会;バロウズのモチーフたち;小説にしかできないこと)
第4部 ウィリアム・バロウズ:その未来と総括(バロウズの周辺領域;おわりに;最語ども)
補遺(バロウズ年表;バロウズ主要作品;日本での受容;バロウズ研究者のために)

著者等紹介

山形浩生[ヤマガタヒロオ]
1964年東京生まれ。東京大学工学系研究科都市工学科修士課程修了。マサチューセッツ工科大学大学院修了。現在、大手シンクタンク勤務。小説、経済、コンピュータなど広範な分野にて翻訳と執筆を手がける
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

phantom感

5
文学部のヘタな授業より、これ一冊の方がカウンターカルチャー、文学の現代的意義がわかります👍山形はバロウズの大ファンなのにオカルト解釈に入らず伝記的事実から淡々と記述する手際がすごい👍大した人です✋文句を言うと、各章内容の繰り返しが多い。インディーロックとか日本のサブカルチャーの援用は、俺は全てわかるけど、読者に不親切なんじゃないか?😗2020/04/20

warimachi

4
「バロウズを享受できる読者とは:/●おもしろいフレーズに過大な価値を置く人/●時間コスト(つまりは所得水準)がきわめて低い暇人/●文を読む速度が異様に速い人物/妙にことばに敏感なヤツか、暇人か、とにかく何でも手当たり次第に読む乱読家ーー恐ろしいことだが、これがバロウズの支持層のプロフィールにぴったり合致しそうなことは明らかだろう」(p.243)2022/09/22

longscale

3
率直さが目眩ましになっているものの、とても謙虚な本。翻訳されたバロウズはほとんど読んでいるが、著者が他の翻訳者に向ける批判に頷けないものはない。むしろ自分の好きなものを客観視しようとする態度には、好感が持てる。そうではない言説が氾濫しているので……。めぼしいところだけ読んで何年も放ったらかしにしていたが、改めて全部読んで良かった。効率性?の分析までやってるのに笑う。少しでも読んだ人間には不要だし、本気で読んだことない人間にまで書いてんのかと思うと……。文庫で「爆発した切符」と「ノヴァ急報」を出してほしい。2019/12/29

くさてる

3
ウィリアム・バロウズに関する素晴らしい解説本。私はバロウズの良き読者とは全くいえないのだけど、どうして自分がそうなのかということまでもが解き明かされ、なおかつ、それでいて他の人々にとってバロウズが凄い存在であることはどうしてなのかということまでも理解できた気がする。懇切丁寧な内容が、きちんと定まった視点と論点をもって語られている。作家の評論というならば、ここまで突き詰めなければ嘘だと思ったくらいに読み応えが合った。ノックアウトされた気分。2011/10/18

ギンテマリン

2
学生時代に「裸のランチ」を読んで、「よく分からないけれど、何かすごいことを書いてるんじゃないか?」と思ったが、この本を読んで、バロウズ一連の本のカラクリを知りちょっとガッカリした。

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