アスキー新書
過剰と破壊の経済学―「ムーアの法則」で何が変わるのか?

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 192p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784756150776
  • NDC分類 007.3
  • Cコード C1233

内容説明

ここ半世紀に起こったイノベーションの数々。それらはすべて「半導体の集積度は18カ月で2倍になる」という「ムーアの法則」に支配されたものだった。多くの企業がこれを利用して急成長し、あるいはこの威力を見誤って消えていった。史上もっとも“破壊的”な経済法則を手がかりに、コンピュータと情報技術の世界の未来を展望する。

目次

序章 ビッグ・ブラザーの死(オーウェルの予言;1984年のコマーシャル;中央集権システムの終焉)
第1章 ムーアの法則とは何か(トランジスタからICへ;ゴードン・ムーアの予言;コンピュータという万能機械)
第2章 ムーアの法則で何が変わるか(情報インフラはコモディティ化する;問題はボトルネックだ;人間がボトルネックになる;情報は個人化する;垂直統合から水平分業へ;業界の境界はなくなる;中央集権かた自律分散へ;系列関係から資本の論理へ;国際化からグローバル化へ)
第3章 ムーアの法則にどう対応すべきか(情報コスト1/100の世界を想定する;水平分業で生き残るには;ものづくりからサービスへ;産業政策から資本市場へ)
終章 孤独な世界の中で(ITは格差を拡大する;放たれた魔物)

著者等紹介

池田信夫[イケダノブオ]
1953年京都府生まれ。東京大学経済学部を卒業後、NHK入社。報道番組の制作に携わり、1993年退職。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程中退。国際大学GLOCOM教授、経済産業研究所上席研究員などを経て、上武大学大学院経営管理研究科教授。学術博士(慶應義塾大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

73
この本は、著者の博士論文をわかりやすく一般向けにまとめたものです。ムーアの法則をもとにして、それが日本の経済に与える影響を予測しています。もともとNHKの職員であったこともあって放送についても論じておられます。最近のスマホやタブレット端末の普及状況を見ると著者の言っていることが徐々に実現していく方向に行っているのかなあという気がします。2015/09/28

えちぜんや よーた

45
結論を言えば、次の通り。半導体の価格が、億単位で下がり、組織において「兵士」の役割を人間にさせる必要が、なくなってきています。"既存の権威や肩書きが意味を失ってすべての個人が対等に競争し、情報処理能力による所得格差が拡大する孤独な世界である"(「終章 孤独な世界の中で」P204)すると情報処理の方向性が、「逆流」するわけですな。・士官 ←←← 兵士(軍隊)・先生 ←←← 生徒(学校)・YouTube ←←← 一般市民(メディア)詳しくはブログまでどうぞ!2013/02/24

還暦院erk

4
だんなから借りた。コンピュータ関連用語が多くて苦労した。半導体の集積度は18ヶ月で2倍になる(ムーアの法則)。トランジスタの原理、フロッピーディスクオワコンの事情、汎用半導体の開発とビジコンの不運、などなど盛りだくさん。ただ2007年時点の情報なので現在変わっているところも多いのだろう。スマホ普及は出てこないし。p121「オフィスに労働者が集まる必要がなければ、彼らを定時に働かせる必要はなく、場合によっては賃金を払う必要もない。」←わああ。わたしは既にこれ。出来高制自宅業務請負だから(涙)。2017/04/18

エンピツ地獄

3
「あと10年ムーアの法則が続くだけでも、半導体のコストは1/100になる。半導体の価格は数円になってあらゆる情報機器に埋め込まれ、コンピュータは数百円になってボールペンなどと同じ消耗品になるだろう。」これが2007年の話だから、来年辺りに、ボールペン並みの値段のコンピュータをしこたま買い込み、使い方がわからず、怒り狂ってぶつけあう民衆たちが街で暴徒と化す、心躍る光景が見られるということでしょうか。2016/04/19

moleskine_note

3
コンピュータの世界を未だに支配していると言ってもいい"ムーアの法則"についての説明に始まり(コンピュータの発展を復習したような感じ)、現在に活かせることについて語っている。 テーマとして(2007年の発行ながら)、タイムリーな話題も多く、今回読んでみて損は無かったなという印象を受けた。 コンピュータなしで生きていくことが不可能になってしまった世界で、知っておきたいことがまとめられているように思った。2012/02/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/518634
  • ご注意事項