内容説明
一九一〇年に「発覚」したとされ、翌一九一一年一月に大審院判決が下されたいわゆる「大逆事件」に関連する文学表現のうち、「事件」の本質に迫るうえで重要と思われる諸作品の画期的なアンソロジー。『蘇らぬ朝「大逆事件」以後の文学』の姉妹篇。
目次
1 殷鑑遠からず(入獄記念・無政府共産・革命(内山愚童)
暴力革命について(幸徳秋水) ほか)
2 失意か抵抗か(希望(永井荷風)
沈黙の塔(森鴎外) ほか)
3 言葉が強権と対峙する(危険人物(正宗白鳥)
謀叛論(徳富蘆花) ほか)
4 反撃への足場(「蜩甲集」より(大塚甲山)
歌(阿部肖三(水上瀧太郎)) ほか)
著者等紹介
池田浩士[イケダヒロシ]
1940年大津市生まれ。1968年4月から2004年3月まで京都大学勤務。2004年4月から京都精華大学勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かもめ通信
17
「大逆事件」に関連する文学表現のうち、事件の本質に迫る上で重要と思われる諸作品を集めたというアンソロジー。なかなかに興味深い文献が多数収録されてはいるが、注目すべきはやはり死刑に処された幸徳秋水と菅野須賀子の書いたものだろう。2018/12/26
ひい
0
石川啄木が大逆事件についてこんな熱心に記録しているなんて知らなかった。2021/07/18
悸村成一
0
未遂だったのか、誰が何をしたのか等、よく判らない状態だと事実関係を知りたくなる(しかし氷解しない)。図書館本。102018/01/14