内容説明
戦前・戦中・戦後、この三つの時代を表現者として生きた火野葦平。彼の作品を通して戦争・戦後責任を考え、海外進出の20世紀という時代を読む。本書は、火野葦平再評価の幕開けであり、同時に「いま」への根底的な問いである。
目次
序論 なぜいま火野葦平か?
第1章 戦場のメールヒェン
第2章 「わたし」の限界と虚構の限界
第3章 戦地の表情、銃後のこころ
第4章 亡霊の言葉を聞く
第5章 ドノゴオ・トンカとしての文学表現
第6章 河童のいる羅曼部落
第7章 女侠と五平太
第8章 馬賊芸者の同胞たち
第9章 石炭仲仕道をめぐって
第10章 労働の現場と文学
終章 兵隊たちの戦中・戦後