感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たりらりらん
5
言葉の両義性に着目し、国語発想論的アプローチを実践する北山氏の著作集。言葉でつながる関係は、その言葉の柔軟性を常に意識しなければならない。どのように言語化し、どのように物語を紡ぎだし、どのように伝えていくかということについて治療者の緊張と難しさを感じさせる。臨床的に、言葉ってこういうふうに考えていくものなのだな、ということを教えていただいた。例えば、いつも「ハコの中にいるよう」と訴える患者の「ハコ」という言葉の中には、安心空間としての「ハコ」や檻のような「ハコ」など多義的な意味が含まれていると指摘する。2011/10/16