内容説明
19世紀後半以降の“熱学思想”の進展は、ニュートン力学を基礎とする自然認識に抜本的な変革を迫った。その影響を真正面から受け留めたオットー・ノイラートの経済思想を同時代のハイエクの市場理論との比較を通じて明らかにし、資源・エネルギーを含めた人間の生存条件を踏まえた経済学を思考する。
目次
第1章 生物経済学の源流(力学的世界観の崩壊;エネルゲティーク;生命と富;生命‐都市の経済学;富と負債;社会エネルギー論とハイエク)
第2章 自然経済の理論―オットー・ノイラートの経済思想(社会主義経済計算論争の失われた位相;ノイラートの問題圏;幸福の地勢学)
第3章 経済的統治の論法―エコノミーからカタラクシーへ(科学的ユートピアの実践;計算合理性への純化;社会工学の陥穽;エコノミーとカタラクシー)
第4章 オイコノミアと自然の理法(似非合理主義批判;“経済”の合理性;経済的寛容と多元主義の原理―societas societaum;社会化と自由の生産)
著者等紹介
桑田学[クワタマナブ]
1982年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、東京大学大学院総合文化研究科特任研究員および東洋大学ほか非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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