内容説明
法外な生命力(D.H.ロレンス)と、独立期のめざましい政治的公共性(H.アレント)という源泉に共感して、独立戦争から“帝国”の時代までの文学と政治思想の深層に迫った新しいアメリカ文明論。
目次
序章 根源の自然法―フォークナーのほうへ
構成的アメリカについて―トクヴィルからネグリまで
隠れた生産の場所に降りて行くこと―ネグリ/ハート『“帝国”』
生の政治のゆくえ―アントニオ・ネグリ
政治の砂漠―ハンナ・アーレント
「正しい敵」もとむ―カール・シュミットとテロリズム
アポカリプスとアメリカ―D.H.ロレンス
白鯨の迷宮のような模様
メルヴィルあるいは“新しい人”
終章 あるヘテロトピア
著者等紹介
宇野邦一[ウノクニイチ]
1948年松江市生まれ。京都大学文学部卒業後、パリ第8大学で学び、1980年博士論文を提出。現在、立教大学現代心理学部映像身体学科教授。現代フランス文学思想専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HN9
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12013/07/24
メルセ・ひすい
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著者にとって<自然法>はある政治を意味すると同時に、ある自然のイメージと溶け合い、理性である以上に、あるパッションの表現であり、法や理性の限界に現れる非決定性や例外制の領域を示すという意味では、まさに<フロンティア>の思考を要求する。それはフーコーが構想した<ヘテロトピア>の法でもある。それは著者のアメリカ論が像を結ぶための触媒となった。アメリカ文明とはなにか。法外な生命力と、独立期のめざましい政治的公共性という源泉に共感して、独立戦争から「帝国」の時代までの文学と政治思想の深層に迫った、新しいアメリカ論2013/03/07