内容説明
水俣病公式発見から半世紀。人類史上最初でかつ最大の生命破壊・環境汚染は、今日われわれに何を語りかけているのか?近代日本が一貫して追求した生産力ナショナリズムが破綻に瀕している今日、支配しない他者を宛先とする新しい人間像を“水俣病という思想”に読み解く。
目次
1 「存在の現れ」の政治―水俣病という思想(「さまよいの旗」から;自己決定の政治 ほか)
2 水俣病という身体―風景のざわめきの政治学(「水俣病がある」風景/Mの身体;Mの初原の風景 ほか)
3 市民は政治の地平をどのように生きたか(「市民政治」の形成;生活政治の展開 ほか)
4 人間の再生と共生へ―水俣病は終わっていない(祈りと記憶―水俣・東京展の意味;アウシュヴィッツ、ヒロシマ、ナガサキ、ミナマタ―水俣病公式発見から四〇年 ほか)
著者等紹介
栗原彬[クリハラアキラ]
専攻は政治社会学。1936年栃木県生まれ。1961年東京大学教養学部教養学科国際関係論卒業。1964年東京大学大学院社会学研究科修士課程修了、1969年同博士課程満期退学。武蔵大学文学部講師、立教大学法学部教授を経て、明治大学文学部教授。水俣フォーラム代表、日本ボランティア学会代表
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