『ライ麦畑でつかまえて』についてもう何も言いたくない―サリンジャー解体新書

『ライ麦畑でつかまえて』についてもう何も言いたくない―サリンジャー解体新書

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  • サイズ B6判/ページ数 218p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784752101031
  • NDC分類 933
  • Cコード C0098

内容説明

誰もが読んだ『ライ麦畑でつかまえて』なのに、誰も見ていなかったものがそこにはある。なぜホールデンは右手に怪我をしたのか、なぜ弟は7月18日に死んだのか、なぜ最後に雨が降るのか、こんな細部に、謎がわんさか、それが解けると、もうびっくりな世界が現れる!小説はこんなふうに読めるものなの?息をのむ分析力、圧倒的な説得力、歴史的な新発見。

目次

序章 サリンジャー、フィッツジェラルド、ヘミングウェイ
第1章 ゲームの外でひとりぼっち
第2章 アリーとキャッチャーの秘密
第3章 ライ麦畑のキャッチャーは過去が好き
第4章 時間とのギクシャクしたこの関係
第5章 生活の下半身
第6章 ガラスケースの行動様式
第7章 決定、インチキたち
第8章 未決定、矛盾、越境
第9章 君子豹変せよ―変身に魅せられて
第10章 反転するライ麦畑のキャッチャー
第11章 凍った魚の運命

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

梟をめぐる読書

10
『ライ麦』の作中で特定の表象やモチーフがしばしば反復的に用いられていることの意味を問い、従来言われていたホールデンの「自意識」の問題を超えた地平に更に「大きな主題」があることを浮き彫りにした画期的評論。いや、深読みは深読みなのだが、ホールデンが常に周囲の時間と歩調を合わせられずにいること、アリーの死亡年月日が原爆の開発日に繋がること、ラストでは「赤い帽子」の受け渡しを通して兄妹間で〝キャッチャー〟の役割が何度も反転していたことなど、ハッとさせられる指摘は多かった。落下のモチーフなどは村上春樹論ぽくもあり。2013/02/24

Mabel

6
『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』の中でこの本について触れられていたので手に取った。北海道大学大学院文学研究科で教鞭をとられている著者による『ライ麦畑でつかまえて』の解説本である。ホールデン自身が話しているかのような口語体で書かれており非常に読みやすい。 「ライ麦」の中に出てくるひとつひとつの小物や、ホールデンの行動が意味するものは何か?等、かなり深読みではあるもののはっと気付かされるような指摘も多い。テクスト的読み込みが好きな人におすすめ。2017/03/24

western

5
(このタイトルの本を出したあとでもう一冊『ライ麦』論を書いているのはどうかと思うが)めちゃくちゃ面白い。精読はエンタメ。2020/01/24

縁川央

2
読み込みすぎで深く考えすぎで気持ち悪い(褒め言葉)。それが作者の意図したことなのかはともかく、こうやって妄想するのが読書の楽しみだよなぁ。2019/08/12

Miss.W.Shadow

1
昔読んだ。かなり精緻で穿ったライ麦論。2012/02/22

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