内容説明
生物学の礎にして、「もっとも世界に影響を与えた本」といわれる『種の起源』。地球の年齢も、遺伝の仕組みも知らなかったダーウィンは、どのようにしてこの独自の思考を組み立て、歴史的名著を書き上げたのか?
目次
『種の起源』が誕生するまで
飼育栽培下での変異
自然界における変異
生存競争
自然選択
変異の原則
理論の難点
本能
雑種形成
地質学的記録の不完全さについて
生物の地質学的連続性について
地理的分布
生物相互の類縁性、形態学、発生学、痕跡器官
要約と結論
著者等紹介
ダーウィン,チャールズ[ダーウィン,チャールズ] [Darwin,Charles Robert]
1809~1882。イギリスの博物学者。祖父は著名な進化論思想家エラズマス・ダーウィン。1831年、イギリス海軍のビーグル号で世界周遊、南米で初めて地震を体験する。1859年、『種の起源』出版。1864年、偉大な科学業績に対して与えられるコプリー・メダル受賞
ステフォフ,レベッカ[ステフォフ,レベッカ] [Stefoff,Rebecca]
アメリカの歴史科学読み物作家。ペンシルベニア大学で英文学の修士号取得。300冊以上の著書・共著書がある
鳥見真生[トリミマサオ]
東北大学法学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エリク
29
僕の高校では、2年になってから生物とれるようになるのですが、なんか目に入ったので読んでみました。 中学で基礎は学んでいたので、だいたい意味は伝わったのは良かったです。正直心配してたので…(笑) めっちゃ昔の人がこういう緻密な経験と感覚の積み重ねをしているのを読むと感嘆し、同時に真似したくなっちゃいます2020/05/30
GELC
20
原著(光文社文庫)を既に読んでいるが、解説付きで読んでみたくて改めて手に取ってみた。原著の魅力を損なわない程度に要約されていて、図表や最近の研究を踏まえたコラムも充実していて読みやすかった。原著は冗長な部分もあり分量が多いので、一般的にはこの本で十分満足できるレベルだと思う。若い人だけでなくて多くの人に薦めたい。2024/04/06
彼岸花
17
名著でありながら、なかなか手をつけることができずにいたところ、この本の存在を知り、読みました。コンパクトにわかりやすくまとめられており、生物学入門書としてベストです。そして、当時わからなかった遺伝の法則や、進行中の進化など、現代の研究者たちが、ダーウィンの信念を引き継ぎ未来へと繋げていることに、彼の偉大さを感じます。ただ、人為選択により、生物の品種改良が自由に行われ、人間の欲望や、利益優先のために次々と作出される事態を、彼は今どうとらえ、何を思うのか、聞いてみたいような、複雑な心境に陥りました。2019/11/11
だいご
10
種は生存競争の中で自然選択が行われ、その土地や時代に適応したものが生き残る。種から変種が生まれ、枝分かれを繰り返し、今に至っている。つまり全ての生物は元を辿れば一つの種に行き着くのである。全ての種は一つの壮大な体系で結ばれているのだ。 遺伝などのことが何もわからない時代にこれが発表されたと思うととんでもない。原文を圧縮した文章と、現在の知見に基づくコラムでとても読みやすかった。図書館本だけど手元に置いておきたい。2020/07/12
rors(セナ)
9
何度か挑戦して挫けてきた「種の起源」のリライト版。動物や植物等の写真も多数あり、著者の解説的なコラムが各章ごとにあり、読みやすくとてもわかりやすかった。装丁もとても綺麗でカラフルでワクワクする。 「私たちは今、6度目の大量絶滅の渦中にいるのではないだろうか」人間の活動が生物種を前例のないスピードで絶滅させていると、著者のコラムにあった。ゾッとした。2021/01/17