出版社内容情報
あの『急行「北極号」』のふたりがおくる”大人のための絵本”。
「犬を入れてはいけない」
不思議な庭で少年が体験した奇妙な午後。
内容説明
「ぜったいに、何があっても、犬を庭園に入れてはいけません。引退した魔術師ガサツィ。」と書かれた庭園に犬が駆け込んでしまった。ふしぎな庭で少年が体験したできごと。1980年度コルデコット賞銀賞、ニューヨークタイムズ最優秀絵本賞受賞作品。
著者等紹介
オールズバーグ,クリス・ヴァン[オールズバーグ,クリスヴァン][Allsburg,Chris Van]
1949年、アメリカ・ミシンガン州生まれ。ミシンガン大学、ロードアイランドデザイン学校で彫刻を学ぶ。絵本作品に、1986年度コルデコット賞受賞作『急行「北極号」』(あすなろ書房)など多数。『魔術師アブドゥル・ガサツィの庭園』で、1980年度コルデコット賞銀賞、ニューヨークタイムズ最優秀絵本賞を受賞
村上春樹[ムラカミハルキ]
1949年、京都府生まれ。早稲田大学文学部卒業
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
172
【原書にて】3年生の教本。絵もすごく3Dぽくて繊細で。彼の作品にはほとんど出てくるらしい(義弟の、だそう)イングリッシュ・ブルを探して、これから読みこんでみます♬2016/05/14
KAZOO
158
オールズバーグの作品です。私は読んでいて今までで一番印象にのころる気がしました。色はなく単色ですが、ここに出てくる人物造形がいかにも、という感じがして引き込まれます。またフレンチブルドッグの犬もおかしみを誘ってくれます。楽しい本です。2016/02/20
masa@レビューお休み中
99
魔術師という言葉がでてくるだけでドキドキしてきちゃいます。どんな魔術師がでてくるのか。どんな魔法が飛び交うのかワクワクするんですよね。そんな僕の興奮をよそに、モノトーンの静謐で精緻な絵が物語を進めていきます。乱暴者で、何にでもすぐに噛みついてしまう犬のフリッツはご主人様がでかけるので留守番をすることになります。そのフリッツの面倒をみることになったアラン少年は大変な事態に巻きこまれるのです。散歩をしにでかけたところ、フリッツは首輪をすり抜けて庭園の中に入っていってしまうのです。一体ここで何が起こるのか…。2013/12/29
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
82
クリス・ヴァンオールズバーグさんのモノトーンの幻想的な絵に村上春樹さんの訳がついた翻訳絵本シリーズの一冊。原作が村上さんと言われても納得しそうな味わいの話でした。ご近所さんに留守番と犬のフリッツの世話を頼まれた少年。フリッツにせがまれて散歩に出かけると、首輪が外れて魔術師の家に入ってしまいます。しかも、家の立て札には【ぜったいに、なにがあっても犬を庭園の中に入れてはいけません】と書かれていました。おそるおそる少年は、魔術師の庭に入って犬を探すのですが……。思わず「ニヤリ」とさせられるラストシーンが鮮やか。2014/06/30
市太郎
56
知らずに読んだら村上春樹訳でした。かみ癖のあるだめ犬とその世話をみる少年。一人と一匹が迷い込んだ館には不思議な魔術師がいて、しかしその魔術師は犬嫌い。悪さをする犬を・・・少年が魔法などないのだと諦め悟る場面、その先に少しだけ不思議を感じさせる物語。夜寝る前に読んでいたら色のないこの絵本自体に魔法が掛かっているような気がして不思議な気持ちになりました。2013/09/10