内容説明
原発、リーダーシップ、外交、政治とカネ、憲法、バラマキ、記者クラブ…政治をめぐる誤解や曖昧な言葉に鉄槌を下し、これからを生きる私たちに岡田センセイが大きなヒントを与えてくれる。新たな希望を見いだすために、今もっとも必要な“政治学入門”。
目次
1 切ない問題(政治は切ない;日本の外交は切ない;民主制は切ない;資本主義は今や切ない;戦争で亡くなった人の哀悼は切ない)
2 そもそもわかっていない問題(そもそも政治責任がわからない;そもそも国家がわからない;そもそもリベラルがわからない;そもその政治主導がわからない;そもそも憲法がわからない)
3 誤解されている問題(バラマキが誤解されている;サヨクが誤解されている;リーダーシップが誤解されている;民意とマスメディアが誤解されている;「日本人」が誤解されている)
著者等紹介
岡田憲治[オカダケンジ]
1962年東京生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。専修大学法学部教授。専攻は現代デモクラシー理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋 眉雄
14
『それは憲法に書くことではありません』民主党政権時に書かれたものですから、事柄は少し古いです。 しかし、内容はといえば全く古びていません。というか、古びてしまう言葉がそもそも選ばれていません。 この本、シリーズにしてどんどん出したらイイのになと思いました。 言葉の意味が分からなければ、言葉自体、言葉そのものが意味を無くしてしまうということを 、よく考えなければいけないなと、勉強不足を痛感するとともに感じました。 2017/08/11
takeapple
11
「言葉が足りないとサルになる」の政治編。3・11の原発事故後に書き直したとのことで、まだ民主党政権だった。安倍・菅・岸田とその後自公政権が絶対安定多数となって続く現在から見ると遥か遠い昔のようだが、10年前なんだよなあ。政治をめぐる状況は益々悪化していると感じるけれど、その理由は、与党で権力を握っている人も、野党の政治家も主権者であるわたしたちもみんなが、岡田先生の仰るように、丁寧に政治を語っていないからだなあ、それは我が身を振り返っても思い当たる節があり、そうか、そうだよなあと思いました。ここで踏んばら2022/02/08
マナティ51
1
これまで思っていたことが浅はかだったことに気づかされました。これからはちゃんと単語の意味を理解して考えるわ。そして自分を棚上げしないで政治をみていくわ。ごまめの歯ぎしり程度だけどね。2012/02/22
Ryueno
1
政治学者が書いた、現代日本政治を読み解くためのキーワード集という感じか。「政治責任」「リベラル」「サヨク」など、しばしば見かけるが厳密な意味まではよくわからないという単語を15個ピックアップし、それぞれ10数ページずつで解説している。前著『言葉が足りないとサルになる』に引き続き本書の底にある問題意識は、日本人は言葉に注意を払わなすぎるという点にある。本書を読むと、今までわれわれが安易に言葉を使ってきたことによって、どれだけのすれ違いが生じていたかがよくわかる。2011/11/18
Decoy
0
これ以上考えられないほど懇切丁寧に語られた、政治的問題の数々。「いろはのい」ばかりだが、現役の政治家も含めて、どれも読んでおいた方がいい内容。端々に著者の絶望やためらいが感じられるが、決して諦めることなく、自らを奮い立たせるような姿勢に、非常に好感が持てる。2014/12/02