内容説明
ある人々を断種手術の対象として見なすのは、彼らが子孫を残すことは共同体のためにならないと判断したからだ。では科学者たちはいかに彼らを“他者”として措定し、手術の導入を正当化したのか?日本で優生学が定着していく様相を描きとった気迫の書。断種手術はいかに「常識」となったか?
目次
第1章 遺伝学と優生学―「進化学専攻」海野幸徳の選択
第2章 接地―加藤弘之、井上哲次郎、永井潜の人間認識と提言
第3章 興隆―優生学、政府調査会答申に盛り込まれる
第4章 洗練―古屋芳雄による生物統計学の応用
第5章 決定―浮上する断種手術
第6章 主流派批判―木田文夫の思想の冒険
著者等紹介
本多創史[ホンダソウシ]
1972年東京生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程修了。博士(学術)。現在、福島県立医科大学総合科学教育研究センター教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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