見えない性的指向 アセクシュアルのすべて―誰にも性的魅力を感じない私たちについて

デッカー，ジュリー・ソンドラ【著】〈Ｄｅｃｋｅｒ，Ｊｕｌｉｅ Ｓｏｎｄｒａ〉/上田 勢子【訳】

明石書店（2019/04発売）

• サイズ B6判／ページ数 313p／高さ 19cm
• 商品コード 9784750348148
• NDC分類 367.9
• Cコード C0036

内容説明

１００人に１人がアセクシュアルと言われています。この本は、そんな当事者のために、また友だちや家族やパートナーがアセクシュアルの人たちのために、さらにアセクシュアルを調べようとしている人たちのために、そして、アセクシュアルなんて存在しないとおもっている人たちのために、そう、全ての人のために書かれました。

目次

１　アセクシュアリティの基礎知識
２　アセクシュアリティの体験について
３　アセクシュアリティについての多くのうそ
４　もしあなたがアセクシュアルなら（または、そうかもしれないと思ったら）
５　知っている人がアセクシュアルか、そうかもしれないと思ったら
６　他の情報

著者等紹介

デッカー，ジュリー・ソンドラ［デッカー，ジュリーソンドラ］ ［Ｄｅｃｋｅｒ，Ｊｕｌｉｅ　Ｓｏｎｄｒａ］
米国フロリダ州タンパ市に住む作家。教育学と心理学の専攻で２０００年にフロリダ大学を卒業。これまでに多くの子どもや大人向けのサイエンス・フィクションやファンタジー物語を書いてきた。ノンフィクションとしては主にアセクシュアリティ関連の執筆が多く、アセクシュアリティへの認識を深めるために、ビデオやブログを通じて活発な活動も行っている。『見えない性的指向　アセクシュアルのすべて―誰にも性的魅力を感じない私たちについて』は２０１５年度Ｎｅｘｔ　Ｇｅｎｅｒａｔｉｏｎ　Ｉｎｄｉｅ　Ｂｏｏｋ　Ａｗａｒｄｓ　ＬＧＢＴ部門賞を受賞している

上田勢子［ウエダセイコ］
東京生まれ。慶應義塾大学文学部社会学科卒。１９７９年より米国カリフォルニア州在住。現在までに１００冊以上の児童書と一般書の翻訳を手がける（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ネギっ子gen]

アセクシュアリティとは性的指向の一つで、人口の1％とも。通常は、他者に性的に惹かれないことを指すが、「性行為や性的魅力をそれほど重要視しないこと」と定義する場合もある。【本書の執筆動機】＜執筆時（原書は2014年発行）には、アセクシュアリティについての記事もオンラインのフォーラムもほとんど見当たりません。／主だった出版物にもほとんど取り上げられることはありません。明らかに無視されていることが、アセクシュアリティなんて存在しないという通念につながっているのです＞。実在が認知されていれば、書物はあるはずで。⇒

2023/02/01

[松本直哉]

「男の子と仲良く遊ぶのは好きだけど、告白されるととたんに、ああそういうことだったの、と引いてしまう」とある若い女性が言っていた。誰にも性的魅力を感じないアセクシュアルが病気でも異常でもなく、性的指向の一つに過ぎないこと、性的関係を介さない親密さもありうることが丁寧に説明されている。病気と思ってしまうのは、特定の一人の異性との排他的で恋愛的で長期にわたる関係に特別の価値を置く「性愛規範性」の観念にあまりにも強く我々が縛られているから。文学も映画もエンタメもみんな、非モテを馬鹿にして恋愛を謳歌するばかり。

2020/12/15

[なるみ（旧Narumi）]

図書館本。アセクシュアルについて知識ゼロだったので読んでみましたが、とてもわかりやすいです。パート5「知っている人がアセクシュアルか、そうかもしれないと思ったら」を特にじっくり読みました。また巻末の情報集（基本情報、関連団体、ネットワーク等々）が大変詳しかったです。

2020/09/08

[katoyann]

「誰にも性的魅力を感じない」という性的指向の一つであるアセクシュアリティに関する著作。アセクシュアルについては、本当は性欲があるはずなのに過去のトラウマを引きずっていて、性欲がないといった偏見が多いという。しかし、著者は、人に性的魅力を感じないという性的指向であるため、何かをきっかけにして、性欲のあり方が変わるということはないという。また、ロマンティック・アセクシュアルは、恋愛はするけど、人に性的魅力を感じないというタイプを指し、一口にアセクシュアルと言っても多様であるという。面白かった。

2022/10/31

[くさてる]

アセクシュアル。性的指向の一つで「他者に性的に惹かれない」こと。何となく聞いたことはあったけれど、ここまで徹底的に説明された本を読んだのは初めて。分類の細かさにはちょっと戸惑ったけれど、その区分を必要としているひとにとっては大事なことだと感じました。アセクシュアルにかぎらすとも、人間の性指向を考えるうえで大切なことがたくさん綴られている本だと思います。

2019/08/31