目次
序章 問題の所在(障害におけうr医療モデルと社会モデル;アフリカにおける「隠された障害者」 ほか)
第1章 カメルーン熱帯林に暮らす人びと―調査地の概説(「森の世界(ピグミー)」と「村の世界(農耕民)
東部州における社会環境の変容 ほか)
第2章 障害のフォークモデルと西欧的障害観の移入(病気と障害;アフリカ諸国のける西欧的な障害者の枠組みと政策の移入 ほか)
第3章 障害者と家族―居住形態と婚姻関係(狩猟採集民バカろ農耕民の居住形態と婚姻関係;障害者の婚姻の選択と同居家族 ほか)
第4章 熱帯林に暮らす障害者の営み―生業活動と生計(農耕民と狩猟採集民バカの生業;農村に暮らす身体障害者の生計手段―広域調査の結果より ほか)
終章 結論(アフリカに「ケア」はあるか?―「ケア」を再考する;障害者の越境 ほか)
著者等紹介
戸田美佳子[トダミカコ]
1983年生まれ。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科アフリカ地域研究専攻の博士課程を修了。博士(地域研究)。現在、日本学術振興会特別研究員(PD)。専攻は人類学、アフリカ地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mogihideyuki
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カメルーンの農耕民と狩猟採集民が共存する村での身体障害者の生活を追う。近代の産物である障害の概念がそれほど侵入していないその地域では障害者は特別視されず、ただ村の中でできる仕事をして生き延びる。そして障害を持った身体でやっていくために必要となる、民族を超えた多様な人間関係や資源の獲得のために、通常は見られない異民族との結婚を行うなど、独特の越境を見せる。このような社会の原理である「差異を前提とした対等性」を「平等」と対比し、平等を志向してきた障害学や障害者運動に疑問を投げかけており、その点に深く共感。2017/09/13