ラディカル・デモクラシー<br> 政治的なものについて―闘技的民主主義と多元主義的グローバル秩序の構築

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ラディカル・デモクラシー
政治的なものについて―闘技的民主主義と多元主義的グローバル秩序の構築

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  • サイズ B6判/ページ数 217p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750328195
  • NDC分類 311.7
  • Cコード C0010

出版社内容情報

「左派右派をこえて」「コスモポリタン民主主義」のかけ声の下、時代遅れとして無視される政治的な敵対性。だがそれは今や新自由主義のヘゲモニー下でむしろ激化している。「政治的なもの」の欠乏に抗して多元主義的民主主義の可能性を探究する理論的思考の到達点。


第I章 はじめに

第II章 政治と政治的なもの
 敵対性としての政治的なもの
 多元主義と友/敵関係
 ヘゲモニーとしての政治
 民主主義政治にふさわしいわれわれ/彼ら関係はどのような形態か
 カネッティの議会制論
 フロイトと同一化
 闘技的な対決

第III章 対抗モデルを超えて?
 ベックと「政治の再創造」
 「サブ政治」の出現
 ギデンズとポスト伝統社会
 民主主義の民主化
 ポスト政治的ヴィジョン
 対話型民主主義 vs 闘技的民主主義
 近代化というレトリック
 ギデンズと第三の道
 新労働党による社会民主主義の「再建」

第IV章 ポスト政治的ヴィジョンに対する最近の挑戦
 右翼ポピュリズム
 合意型モデルの危険性
 道徳の作用領域における政治
 一極的世界の帰結としてのテロリズム
 リベラル民主主義の普遍性

第V章 どの世界秩序を目指すべきか――コスモポリタンな秩序か多極的秩序か?
 民主主義的な超国家主義
 コスモポリティカル民主主義
 民主主義とグローバルな統治
 マルチチュードの絶対的民主主義?
 多極的世界秩序へ

第VI章 結論
 多元主義の限界
 近代の多元性
 人権の混血的概念
 どのヨーロッパなのか?

1990年代という、リベラル民主主義の最終的勝利と「新世界秩序」の到来が歓呼された時期のあと、新しい敵対性が出現しつつある。この新しい敵対性がつきつけてくる難問の本質を理解するためには、権力と主権性とヘゲモニーとを乗り越える宥和した世界という夢を捨て去り、「政治的なもの」の次元を認識していく必要がある。民主主義のプロジェクトを擁護しながら徹底化するためには、そうする以外にない。
(本書第6章より)

内容説明

「左派右派をこえて」「コスモポリタン民主主義」というかけ声のもと、時代遅れのものとして無視されるようになった政治的な敵対性。しかし、右翼ポピュリズムの台頭やテロリズムの続発からもあきらかなように、それはネオリベラリズムのヘゲモニー下でむしろ激化している。「政治的なもの」の欠乏に抗して多元主義的民主主義の可能性を探究する理論的思考の到達点。

目次

第1章 はじめに
第2章 政治と政治的なもの
第3章 対抗モデルを超えて?
第4章 ポスト政治的ヴィジョンに対する最近の挑戦
第5章 どの世界秩序を目指すべきか―コスモポリタンな秩序か多極的秩序か?
第6章 結論

著者等紹介

ムフ,シャンタル[ムフ,シャンタル][Mouffe,Chantal]
ウェストミンスター大学教授(政治理論)。ハーバード大学、コーネル大学、プリンストン大学先端研究所、パリ国立科学研究センター(CNRS)などでの研究職や、コロンビア国立大学、ロンドン市立大学、ロンドン大学ウェストフィールド・カレッジなどの教授を歴任。パリ国際哲学カレッジにも参画

酒井隆史[サカイタカシ]
大阪府立大学人間社会学部准教授(社会思想・社会学)。1965年生まれ。思想誌『VOL』編集委員

篠原雅武[シノハラマサタケ]
日本学術振興会特別研究員。1975年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了(都市論・政治理論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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うえ

6
これは良書。「民主主義政治の目的を、合意ないしは宥和の観点から捉えようとすることは概念的に誤りであるだけでなく…政治的にいってきわめて危険である」「民主主義理論は長いあいだ、人間の内面的善良性、及び原初的な無垢が、民主主義の存続を確証する必要条件であるという信念に支えられてきた」「この楽観的な見解に異論を唱える者は、自動的に、民主主義の敵とみなされたのである」「フロイトの死後半世紀以上たった現在…精神分析理論への抵抗が依然として根強く、彼のいう敵対性の抹消不可能性に関する教訓はいまだに理解されていない」2015/08/21

LM

3
【通読】自由で理性的な討議空間を民主主義の基盤とすることを拒み、シュミットの友敵関係を援用し「政治的なもの」を基盤とした民主主義が主張される。敵対の可能性を孕んだ関係性が政治の基礎だとするのは共感するし、それが左/右の対立の復権を必要とするのも納得できる。ただ、たとえば憲法論議で、改憲派のあいだでコンセンサスがとれていない状況でも護憲派=左/改憲派=右に分かれて闘技的に議論をして、実りのある議論ができるのかは疑問である。つまり、予め設定されたアジェンダの枠内で簡略化された議論しかできないのではないか、と。2021/06/04

ルンブマ

3
「多様性」を社会で実現するためにはどうすればいいか? この問いに対する回答としては、「さまざまな対立を乗り越え、異なる個人の共存を尊重すること」という回答がおそらく一般的であろうと思う。そのような考えに異議を唱えるのが、ムフの『政治的なものについて』である。 ムフは、「多様性」実現のために、「政治的なもの」の必要性を訴える。「政治的なもの」とは、人々の行動原理となる「秩序」は何かしらの排除の論理を含んでいる(ベルクソンも『道徳と宗教の2つの源泉』で同じことを言ってたな…。)ということを意味する。2019/06/06

砂糖 翠

0
再読。内容が多岐に渡っているため、概念は斬新ではあるが少し物足りなさがある。まだ新しい話なので今後研究していきたい2014/11/04

saiikitogohu

0
「…活気に満ちた「闘技的な」公共領域の創造を構想すること…これは私の見解では、民主主義が効果的に作動するための必須の条件である。今日、対話や討議に関する議論が盛んである。しかしながら、実質的な選択の余地がなく、討論の参加者がはっきりと違いのわかる選択肢のあいだで決めることができないとき、これらの言葉は政治的領域においていかなる意味をもつのだろうか?」14「合意を重視する方法が、社会の宥和の条件を創造することなく、むしろ敵対性ーー闘技を重視する立場は、これを諸々の対立の正当な表現形態を与えることで回避…」続2020/01/31

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