出版社内容情報
都市の下層社会の形成と住民の生活構造について、インドネシア、メキシコ、日本の異なる構造をもった3つの国のケースをとりあげ、開発とともに変容してゆく伝統社会のメカニズム、一方で発生する諸現象、共通する問題を探求しながら生活のありようを実証的に論ずる。
まえがき(倉沢愛子)
1 外来者の流入と都市下層社会の変容
――ジャカルタ南郊の集住地区の事例(倉沢愛子)
1 植民地都市ジャカルタの変容
2 調査地レンテン・アグンの歴史的背景
3 「開発」の開始と外来者の流入
4 住民のプロフィル
5 地域社会における外来者の地位
6 故郷との絆――外来者二〇名の調査から
おわりに
付録 調査質問票
2 変容のなかのパサール(伝統的市場)
――ジャカルタ南部L市場から(内藤 耕)
1 ジャカルタのパサール
2 ジャカルタ南部L市場
3 L市場の常設店店主たち
4 管理され得ぬパサールとカキリマ
5 まとめ
3 都市下層の生活構造と社会的位置の変容
――近現代の日本における貧困の性格変化(中川 清)
1 異質な生活世界への関心
2 近代の貧困概念の形成と展開
3 貧困対策の実施状況と都市下層
4 「中流社会」と貧困把握の変化
5 多元化する貧困と社会生活
4 ひさぐ野宿者、もがく野宿者
――地位隔離と意味世界(青木秀男)
1 日本の野宿者
2 野宿者への道
3 野宿者の隔離
4 仕事の意味
5 境遇の意味
5 離村インディオの流入と都市エスニシティの変容
――サン・クリストバル市の事例から(清水 透)
1 チアパス高地の社会関係の変化
2 植民地的(コロニアル)フロンティアの消滅
3 都市インディオ性の形成
4 サン・クリストバル市における新たなフロンティア
目次
1 外来者の流入と都市下層社会の変容―ジャカルタ南郊の集住地区の事例
2 変容のなかのパサール―ジャカルタ南部L市場から
3 都市下層の生活構造と社会的位置の変容―近現代の日本における貧困の性格変化
4 ひさぐ野宿者、もがく野宿者―地位隔離と意味世界
5 離村インディオの流入と都市エスニシティの変容―サン・クリストバル市の事例から
著者等紹介
倉沢愛子[クラサワアイコ]
1970年東京大学教養学部卒業。同大学院社会学研究科ならびにコーネル大学大学院博士課程修了。慶應義塾大学経済学部教授。大学在学中から日本占領期のインドネシア史を取り上げ、コーネル大学で博士号を取得。博士論文『日本占領下のジャワ農村の変容』は草思社から、1992年出版され、サントリー学芸賞を受賞。近年は視点を現代インドネシア社会に移し、開発政策の中で変容していく庶民の生活を分析、研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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