出版社内容情報
災害は「青天の霹靂」ではなく、人間集団と破壊を起こす可能性のある素因とが結びつくことによって生まれる──。本書は、文化人類学が災害研究に寄与する可能性を探ると同時に、被災地の救援・復興に文化人類学の手法がいかに有効かを事例研究により示す。
目次
1 序論―災害の人類学的研究の意義
2 災害の理論的考察―自然、力、文化
3 災害の歴史的研究
4 危険とリスク否定論
5 不確実性の封じ込め―チェルノブイリ原発事故後の放射線防護の専門家の文化
6 怪物と母―災害の象徴表現
7 大衆向けメディアによる人為災害の枠組みの作り替え―ウォバーン有毒廃棄物汚染をめぐるあるベストセラーと被害者
8 物質とエネルギーの断続的劣化―エクソン・バルディーズ号原油流出事故(1989)とアラスカ先住民
9 複数のカタストロフィの一体化―長期化した旱魃(1100‐1500)およびそれと並行して発生した自然災害そしてアンデス文明
10 災害と生態人類学―東アフリカ大旱魃(1979‐81、1984‐85)と牧畜民トゥルカナ族
11 専門知識の欠如と断定的政治運動と慢性的災害―インド・ボパールでの有毒ガス漏出事故(1984)
著者等紹介
ホフマン,スザンナ・M.[ホフマン,スザンナM.][Hoffman,Susanna M.]
文化人類学者、Ph.D
オリヴァー=スミス,アンソニー[オリヴァースミス,アンソニー][Oliver‐Smith,Anthony]
フロリダ大学人類学部教授、Ph.D(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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