明石ライブラリー<br> アメリカの児童相談の歴史―児童福祉から児童精神医学への展開

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明石ライブラリー
アメリカの児童相談の歴史―児童福祉から児童精神医学への展開

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  • サイズ B6判/ページ数 446p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750322117
  • NDC分類 369.4
  • Cコード C0336

出版社内容情報

20世紀前半のアメリカで、社会的混沌の中から子どもへの支援を築きあげていった人々の足跡を、その源流ともいえるボストン、ベーカー相談センターのケース記録を詳細に調査することで描き出す。児童福祉における「こころの臨床」の重要性を再認識させる労作。

日本語版への序文
謝辞
訳者まえがき
序章
第1章 問題のある子どもの成り立ち
第2章 ウィリアム・ヒーリーと革新主義の児童救済家たち
第3章 児童相談チームの誕生
第4章 児童相談の普及
第5章 ふつうの子どもの問題行動
第6章 子どもたちと児童相談
第7章 母親批判
第8章 精神医学の権威の限界
訳者あとがき
原註
索引

訳者まえがき
 一九世紀から二〇世紀にかけて、近代社会は小児医学、義務教育、児童福祉など「子ども」を対象としたサービスを作り出してきたが、この中で取り扱われた問題は、必ずしもサービスの提供を受ける子どもの側からの問題ではなく、社会や大人たちから見た厄介なこと(trouble)が中心であった。
 移民の流入による都市の過密と貧困は、社会の中での厄介な問題として非行問題を生み、本書の主題である「児童相談」もそこから生まれた。その後、一九二〇年代からの児童相談運動によって全米に展開していった児童相談クリニックは、その当時の社会や親たちが子どもに対して抱いた問題を解消することを目指して発展してきた。本書の原題Taming the troublesome child(問題のある子どもをおとなしくする)は、まさに大人たちの視点から生まれ発展してきた児童相談の本質を見事に表している。
 児童相談は、少年非行への対応として誕生したものであったが、その普及の過程で、対象を主に貧困家庭の子どもの非行から一般家庭の「ふつうの子どものふつうの問題」に拡大し、そのことが結果的に子どもの「こころ」を対象とした臨床サービスとその専門家を生み出し、今日の児童青年精神医、次に非行少年を心理学的に理解するために精神科医ウィリアム・ヒーリーを招いてクリニックを作り、さらには子どもの精神保健に関する専門分野が形成されていった過程を、その源流となったボストンのジャッジ・べーカー相談センターのケース記録を詳細に調査することで描き出した研究である。これは、当時の社会情勢、風俗、政治、社会保障制度、学術的な状況などが複雑に入り組んだ物語で、アメリカの社会福祉の歴史であり、女性や家族の歴史であり、児童精神医学の歴史でもある。社会的混沌の中から、子どもへの支援を築き上げていった人々の足跡を辿ることは、今日の我々の社会の中での子どもへの支援のあり方を考える上で大いに参考になる。子どもに関わる専門職だけでなくすべての大人たちが、児童相談の歴史を振り返ることによって、子どもに対する大人の役割を考える一助になれば幸いである。
 なお、著者自身も原註の中で触れているが、本書では知的障害(医学的な診断名としては精神遅滞)に相当する用語として、feebleminded(知恵遅れ)、mental deficiency(精神薄弱)、idiot(白痴)、imbecile(痴愚)、moron(軽度精神薄弱者)など、今日では不適切である表現が一部に使用されて

目次

第1章 問題のある子どもの成り立ち
第2章 ウィリアム・ヒーリーと革新主義の児童救済家たち
第3章 児童相談チームの誕生
第4章 児童相談の普及
第5章 ふつうの子どもの問題行動
第6章 子どもたちと児童相談
第7章 母親批判
第8章 精神医学の権威の限界

著者等紹介

ジョーンズ,キャスリーン・W.[ジョーンズ,キャスリーンW.][Jones,Kathleen W.]
歴史学者。Virginia Polytechnic Institute and State Universityの歴史学部準教授。専門は児童心理学・精神医学の歴史、小児期の歴史、殺人の歴史、アメリカの女性史など。研究の関心は、アメリカの医学、若者、文化の接点で、現在は1870年以降の若者の自殺に関する社会史と医療史をテーマに研究を続けている

小野善郎[オノヨシロウ]
児童精神科医、医学博士。日本児童青年精神医学会認定医。1959年愛知県生まれ。1984年に和歌山県立医科大学を卒業し、国保日高総合病院精神神経科、和歌山県立医科大学助手(神経精神医学)を経て、1997年より和歌山県子ども・障害者相談センターに勤務。現在、総括専門員兼子ども診療室長。和歌山県立医科大学非常勤講師、日本児童青年精神医学会理事を務めている。専攻は、児童青年精神医学、精神医学、発達障害医学。主な研究領域は、児童虐待の臨床的研究、児童福祉領域における子どもの精神保健(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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