出版社内容情報
家族の中の個人の尊厳と男女平等をうたった憲法24条が、改悪の危機にある。学者・評論家・弁護士・NGO関係者の書き下ろしと、思いを綴った37本の公募原稿が、女性や子どもなどのマイノリティを支え続けた24条の意義と役割を証明する。
まえがき
序 章 憲法が息づく社会を(福島みずほ)
第1章 家族のなかの私
1 少子高齢化社会にみる「嫁学」(樋口恵子)
2 結婚・離婚そして私の家族(安藤幸一)
3 家族のかたちと国のかたち(舟橋 正)
4 家族の「治外法権化」を止めよう(大村芳昭)
5 一人ひとりを大切に(本多須美子)
6 女性の頼もしい味方(吉野靜恵)
7 家族の崩壊に手を貸す「改悪」(大友康博)
8 「男女共生社会」を築こう(小針英子)
9 新たな親密圏のあり方――憲法二四条の意味するところ(中里見博)
10 健やかに子どもが育つために(倉形玲子)
第2章 男女平等への道しるべ
1 日本の憲法は世界のモデル――私が書いた二四条(ベアテ・シロタ・ゴードン)
2 「男女平等」を探して(佐藤香代)
3 私たちのための憲法であり続けてほしい(宇敷香津美)
4 目に見えない二つの道(紙田智美)
5 生活スタイル権(伊藤忠良)
6 男女ともに働きやすい社会を(遠藤みち)
7 二四条は女四代の夢と希望(飛鳥井佳子)
8 本当に変えるべきもの(石田知花)
9 家族の崩壊を促さないために(大友優子)
10 いう発想(斎藤貴男)
2 「依存症」で葛藤する私たちの道しるべ(衿野未矢)
3 非婚のシングルマザー・婚外子と個人の尊厳(赤石千衣子)
4 自由な家族生活・個人生活を(平岡章夫)
5 同性愛者の家族の価値(永易至文)
6 同性のパートナーシップを考えよう(尾辻かな子)
7 自分らしさを大切に(小野寺さよ子)
8 愛しい女性たちのあゆみ(椎野和枝)
9 無名の人々こそ憲法にコミットしよう(大塚英志)
第5章 バックラッシュをこえて
1 なぜ男女平等規定が狙われるのか(竹信三恵子)
2 「憲法二四条」改定への七つの疑問(松本侑子)
3 「オレがしあわせにしてやる!」って言われても……――「改憲くん」に黙ってついていけない理由(本山央子)
4 なぜジェンダーフリーバッシングが起きているのか(橋本ヒロ子)
5 「二四条」のあとさき(久保田眞苗)
6 宝物を託された我々が、今すべきこと(沼井哲男)
第6章 平和を愛する
1 戦争と差別の時代を生きて(清水澄子)
2 父の遺骨を母のそばに置いてやりたい(田中 圀)
3 昭和二〇年に生まれて(山下清子)
4 平和と平等は手を携えてやっ
まえがき
憲法二四条というと、みなさんは何を思いつくでしょうか。
憲法というと遠いなあと思う人もいらっしゃるでしょうし、二四条って何だったっけと思われる人もいるでしょう。
でも、憲法が、家族のなかの個人の尊厳と男女平等を規定し、戦前の家制度などを変えるために大きな役割を果たしてきたと聞くと、うーんと身近になるのではないでしょうか。
最近、立法されたドメスティック・バイオレンス防止法(DV防止法)なども憲法二四条の趣旨からもできたものであるとか、選択的夫婦別姓の導入や、婚外子差別撤廃や、子どもの権利なども、憲法二四条と関係があると聞くと、これまたうーんと憲法二四条が身近になるのではないでしょうか。
ところで、憲法改正の議論のなかで、この憲法二四条改正の提案が出てきて、びっくりし、かつ怒っています。
とんでもありません。
戦後積み上げてきたさまざまなものを、ぶち壊していこうという提案なのですから。
憲法二四条の明文の見直しだけでなく、憲法前文に、日本の文化と伝統を担うものとして家族を位置づけるべきだという提案もなされています。
戦争をしないと定めた憲法九条を変えて、戦争のできることは本当に残念です。
本作りを通して、改めて、「みんなの憲法」ということをヒシヒシと感じました。
この本は、さまざまな立場から「私の二四条」を語ってもらいました。
第1章「家族のなかの私」では、樋口恵子さん、憲法学者の中里見博さんに書いてもらいました。
第2章「男女平等への道しるべ」では、ニューヨーク在住のベアテ・シロタ・ゴードンさんに書いてもらいました。
第3章「家制度への挑戦と家族のこれから」では、弁護士の榊原富士子さんと民法学者の二宮周平さんに、憲法や民法、戸籍などとの関係を、坂本洋子さんには選択的夫婦別姓の導入について書いてもらいました。また、鍛冶千鶴子さんが、一九八四年に『女の戦後史1 昭和二〇年代』の本のなかで書かれた文章も再録しました。戦前、戦後の動きがコンパクトによくわかると思います。戒能民江さんには、二四条を暴力の関係から論じてもらいました。
第4章「個人のライフスタイルを支えて」では、斎藤貴男さんに独身税の話を、作家の衿野未矢さんには、「依存症」で葛藤する女性たちの話を書いてもらいました。ゲイの問題に取り組む永易至文さん、シングルマザーの問題に取り組む赤石千衣りました。
どうかあなたも「私の憲法二四条」を考えてみてください。
内容説明
一人ひとりを大切にすれば、みんな幸せになれる!二四条まるわかり!みんなが書いた元気がでる本。
目次
序章 憲法が息づく社会を
第1章 家族のなかの私
第2章 男女平等への道しるべ
第3章 家制度への挑戦と家族のこれから
第4章 個人のライフスタイルを支えて
第5章 バックラッシュをこえて
第6章 平和を愛する
著者等紹介
福島みずほ[フクシマミズホ]
1955年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。社会民主党党首、参議院議員、弁護士、学習院女子大学客員教授。弁護士として、ドメスティック・バイオレンス、選択的夫婦別姓制度や婚外子差別、外国人差別、セクシュアル・ハラスメントなどの問題に取り組む。また、ドメスティック・バイオレンス防止法・改正法と児童虐待防止法の制定、女性の人権問題、有事立法反対と平和問題、盗聴法廃止、外国人の人権擁護など、国会内で幅広く活躍
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