明石ライブラリー
私たちぬきで私たちのことは何も決めるな―障害をもつ人に対する抑圧とエンパワメント

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  • サイズ B6判/ページ数 375p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750317953
  • NDC分類 369.27
  • Cコード C0336

出版社内容情報

措置、施しの対象として、自分たちの要求や意思が一義的に扱われないまま抑圧の連鎖の中におかれ続けた世界の障害者たち。DPI(障害者インターナショナル)をはじめとした、障害当事者による自立と権利擁護のための組織化、その過程での当事者の声そのものを集積することにより、障害者解放運動の歴史と理念、現在の課題を明らかにする世評高い名著待望の邦訳。

日本語版への序文
要旨
謝辞
インタビューに応じていただけた人々

第1部 序論
 第1章 私たちぬきで私たちのことは何も決めるな

第2部 障害をもつ人に対する抑圧と日常生活
 第2章 障害をもつ人に対する抑圧の範囲――概観
 第3章 政治経済学と世界システム
 第4章 (各種の)文化と信条体系
 第5章 意識と疎外
 第6章 日常生活の観察

第3部 エンパワメントと組織
 第7章 権利に目覚めた意識とエンパワメントの哲学
 第8章 エンパワメントの組織

第4部 結論
 第9章 抑圧とエンパワメントの弁証法

原注
文献一覧
監訳者あとがき
索引(人名/組織名/事項)

" 本書は、James I. Charlton, Nothing About Us Without Us: Disability Oppression and Empowerment, Berkeley/Los Angeles/London, University of California Press, 1998の全訳である。
 著者のジェームズ・I・チャールトン氏は、日本でも、障害をもつ人の権利のための活動家の間では周知の人物であるが、いまだ氏の著作などについて本格的に紹介されておらず、一般には馴染みが薄いかもしれない。氏は、シカゴ大学を社会理論専攻で卒業後、一九八五年からシカゴ市のアクセス・リビングで活動され、現在までに、企画部長、副代表、代表代理を歴任しておられる。障害をもつ人の権利や自立生活に関する研究で、一九九二・一九九三年シカゴ・コミュニティ・トラスト・フェローなどの数々の奨学金や賞を受け、全米中で知られているリーダーのひとりである。主たる活動は、『ザ・シカゴ・リーダー』『ディスアビリティ・ラグ』『ザ・シカゴ・リテラリー・クォータリー』に多くの論文を寄稿されるなどの著作活動と、幅広い講演活動である。私(岡部)自身は、氏にお会いしたことはなく、本書の翻訳に際して、メールのやりとりを数回行ったにすぎない。しかし、質問などに対する迅速かつ的確な回答やる。すなわち、第一に、障害問題に関連する様々な分野や方面に対して広く問題を提起し、障害をもつ人に対していまだ存在する旧式の思考や、それに基づいた各種システムについて強制的に意識させることである。第二に、障害をもつ人たちに対しても、彼らの現在の依存状態や諦観などを攻め立て、いままさに自分たちが何を考え行動しなければならないのか、ということを厳しく自問するよう迫ることである。第三に、様々な種類の障害者権利獲得運動に対して、その本質的な役割とは何か、ということを提案することである。要するに、本書に対する批判や攻撃こそ、むしろ氏の望むところであり、様々な反応を広く呼び起こすことで、社会変革を推し進めようと考えたものと思われる。(略)

監訳者あとがき"

目次

第1部 序論(私たちぬきで私たちのことは何も決めるな)
第2部 障害をもつ人に対する抑圧と日常生活(障害をもつ人に対する抑圧の範囲―概観;政治経済学と世界システム;(各種の)文化と信条体系
意識と疎外
日常生活の観察)
第3部 エンパワメントと組織(権利に目覚めた意識とエンパワメントの哲学;エンパワメントの組織)
第4部 結論(抑圧とエンパワメントの弁証法)

著者等紹介

チャールトン,ジェームズ・I.[チャールトン,ジェームズI.][Charlton,James I.]
アクセス・リビング(シカゴ)代表代理

岡部史信[オカベフミノブ]
創価大学法学部助教授、東京経済大学講師

笹本征男[ササモトユクオ]
東京経済大学竹前栄治研究室助手

近藤真理[コンドウマリ]
翻訳家

田中香織[タナカカオリ]
東京経済大学竹前栄治研究室助手
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感想・レビュー

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ふにゃ

2
タイトルから受ける印象とは異なり、障害者運動に対するクールな分析が見られる。とくに、2点について著者の立ち位置はクールである。第1に、障害者運動が無視しがちな、障害者内部の相違(住んでいる地域による違い、その他の属性による違い、障害自体の違いなど)について、著者はかなりのページ数を割いている。第2に、障害者運動が抱いている楽観的な権力観を批判する(p226-)。障害者運動も問題が多い。それでも、悩みながら歩を進めていくことが大切なのだろう。2013/06/08

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