出版社内容情報
紀元前4000年から1990年代までの6000年に及ぶ全世界の女性たちの記録を一つの年表に体系化。年表としては取り上げにくかった風俗、結婚など女性たちの生活の営為を歴史的にたどり、従来の年表からは読み解けなかった新たな人類の歴史像を提示する。
序
謝辞
紀元前
コラム
1 先史時代の女性と考古学上の発掘/2 古代女性の法的地位
3 エジプトの女王/4 初期ユダヤ社会の女性
5 古代ギリシャの女性/6 古代、中世の学職女性
7 アリストテレスの女性観/8 古代チベットの女性
1年~
コラム
9 古代の女性戦士/10 古代インド社会の女性
11 初期キリスト教における女性の地位
12 アレキサンドリアのヒュパティア―数学者・哲学者
13 ガラ・プラキディア―個人的なことは政治的なこと/14 初期イスラム女性
15 中世の女性芸術家
1000年~
コラム
16 中世の摂政と王妃/17 アンナ・コムネナ―ビザンティン帝国の歴史家
18 ビンゲンのヒルデガルト―聖人で科学者/19 中世の結婚
20 中世の女性と仕事/21 クリスティーヌ・ド・ピザン―最初のフェミニスト
22 マージャリー・ケンプ―最初の英語自伝作家/23 女性の戦士
1500年~
コラム
24 魔女狩り旋風/25 近代初期ヨーロッパにおける女性の教育
26 近代初期ヨーロッパの女性の役割/27 女性とプロテスタント教会
28 ルネサr> コラム
47 なんて美しい足なのだろう/48 インド人女性作家―有名作家リスト
49 クララ・ツェトキン/50 イタリア女性運動
51 日本の女性運動/52 ブルースを歌う女性たち
53 アメリカの女性と仕事/54 第2次世界大戦とアメリカの女性
55 近代の女性兵士/56 ホロコーストの女性たち
57 現代イスラム女性/58 20世紀の女性科学者
59 近代中国の女性/60 アメリカの第2波フェミニズム
61 スポーツ界の女性/62 現代ユダヤ女性
63 ノーベル平和賞受賞者/64 レイプ
65 現代の第三世界の指導者/66 貧困の女性化とホームレス
訳者あとがき
参考文献
索引
固有名詞の言語―訳語対照表
" 本書は、The Timetables of Women's History:A Chronology of the Most ImportantPeople and Events in Women's History(Simon & Schuster, 1994)の翻訳である。著者のカレン・グリーンスパン氏は、スキッドモア・カレッジの英文学部の教授で、ヨーロッパ比較文化の専門家である。彼女は、アーサー王伝説、聖職者の伝記・自伝あるいは写本研究等、アカデミックな歴史研究で周縁部に置かれてきた史料を通してヨーロッパ中世研究に従事している研究家であり、他の著作にSo Rich A Tapestry: The Sister Arts and Cultural Studies(Bucknell UP, 1995, 共編著)等がある。
本書は、紀元前4000年から1990年代にいたる6000年におよぶ期間の、しかも全世界の女性たちの記録をひとつの年表に体系化したものである。この試みは、おそらく世界的に見て本書が嚆矢であり、日本ではこの『世界女性史年表』が初めての出版となる。こうした壮大な企画が可能となった背景には、1960年代末以降長足の進歩を遂げた女性史研究の知の蓄積がある。その意味で本書は、ここ数十年間の女性に関する研究業績のひとつの集大成ともいえるものである。
従来年表は、制度や体制の転換を軸に構成されてきた。そのた項目の立て方とその配列から大きく乖離するものとなっている。
第二に、従来の年表では決して取り上げられることのなかった内容が、それぞれの時代と地域を表象するため取り上げられている。例えば紀元前には神話、あるいは聖書に書かれた物語が多く含まれている。通常、歴史研究に従事するものにとって、年代が実証的に確定できないものを年表にのせることは、タブーとされてきた。しかし同時に人々の生活の実態に関して多くのことが分かっていない原始・古代の時代に関して、語り継がれてきた神話や聖書の物語は、それぞれの時代の生活や男女の関係性を逆照射する好個の史料ともなりうるものである。もとより神話の物語が表徴する事柄がいつ起こり、いつ出来上がったのか、今日まだその確かな事は分かっていない。そのため当該年表では、神話は、その語られてきた文明の時代、あるいはひとつの神話として体系化された時代に置かれている。
つまるところ本書の年表としての特異性は、それが単に過去のあらゆる地域の女性たちの業績を時系列的に集大成するにとどまっていない点にある。それは、歴史を動かす力(権力)と女性たちの生活の営為とを、結婚、子ども、教育、風俗、時代風潮など一"
内容説明
本書の趣旨は、世界いたる所の文化において、古代から現在まで女性があげた業績を提示することである。政治、芸術・人文学、宗教、科学・技術、社会進歩、哲学、個人生活などあらゆる分野にわたる人類の試みを公けにしている。女性史という専門的なテーマを一般的文脈のなかに配置して、女性の業績を評価する基準を提供するものである。シリーズの既刊書に比べて、視野を広げ、アフリカ、アジア、南アメリカなどさまざまな地域の人びとや事柄を含んでいる。
目次
紀元前
1年~
1000年~
1500年~
1600年~
1700年~
1800年~
1900年~
著者等紹介
グリーンスパン,カレン[グリーンスパン,カレン][Greenspan,Karen]
スキッドモア・カレッジを卒業後、マサチューセッツ大学アマースト校で修士号、博士号を取得(比較文学専攻)。現在スキッドモア・カレッジ英文学部助教授。中世ヨーロッパの文学、女性を研究
進藤久美子[シンドウクミコ]
東洋英和女学院大学国際社会学部教授。法学博士。ペンシルヴァニア州立大学大学院で修士号取得。専攻は現代アメリカ論、ジェンダー・スタディーズ
谷中寿子[ヤナカヒサコ]
共立女子大学国際文化学部教授。立教大学大学院博士課程退学。ジョージア州エモリー大学大学院で修士号取得。専攻はアメリカ史
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