出版社内容情報
健康にまつわる諸現象を多様な領域から分析し、ジェンダー・バイアスの明確化、概念再構築を目指す研究プロジェクト。本作はマイノリティにおけるリプロダクティブ・ヘルス/ライツ、性暴力問題そしてセクシュアリティ概念の再検討を大きな柱とする。
はじめに[根村直美]
1 セクシュアリティの諸相と認識論
第1章 保健医療領域におけるセクシュアリティ概念について[朝倉京子]
第2章 哲学・倫理学の領域におけるポルノグラフィ論[根村直美]
第3章 情報社会のリアリティとアイデンティティ[根村直美]
2 リプロダクティブ・ヘルス/ライツ概念の可能性
第4章 パラグアイ農村女性の性と生殖に関する意識とその変化[藤掛洋子]
第5章 人口政策におけるリプロダクティブ・ヘルス/
ライツとトランスナショナルNGOネットワークの役割[兵藤智佳]
第6章 女性に対する暴力とリプロダクティブ・ヘルス/ライツ[土井真知]
第7章 公営助産所はなぜ閉鎖したのか[中山まき子]
第8章 児童の施設養護で問われる性別の暮らし[田澤薫]
3 医療とジェンダー
第9章 出生前検査と女性の自己決定[菅野摂子]
第10章 美容外科手術とジェンダー[川添裕子]
おわりに 根村直美
《執筆者一覧(編者以外)》
朝倉京子,藤掛洋子,兵藤智佳,土井真知,中山まき子,田澤薫,菅野摂子,川添裕子
内容説明
本書は、お茶の水女子大学・ジェンダー研究センターの研究活動の一環として、平成12年度に立ち上げられた「健康とジェンダー」研究プロジェクトにおいて得られた成果をまとめたものである。
目次
1 セクシュアリティの諸相と認識論(保健医療領域におけるセクシュアリティ概念について;哲学・倫理学の領域におけるポルノグラフィ論;情報社会のリアリティとアイデンティティ)
2 リプロダクティブ・ヘルス/ライツ概念の可能性(パラグアイ農村女性の性と生殖に関する意識とその変化―農村女性の家族計画の「語り」と「実践」を手掛かりに(1994年‐2001年)
人口政策におけるリプロダクティブ・ヘルス/ライツとトランスナショナルNGOネットワークの役割―フィリピンのWomen’s Health Movementを事例として
女性に対する暴力とリプロダクティブ・ヘルス/ライツ―夫・パートナーからの暴力の事例から ほか)
3 医療とジェンダー(出生前検査と女性の自己決定―出生前検査を受けた女性の語りから;美容外科手術とジェンダー―多面性と矛盾)
著者等紹介
根村直美[ネムラナオミ]
1992年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科(博士課程)比較文化学専攻単位修得、1996年博士(人文科学)号取得。現在、日本大学経済学部・助教授/お茶の水女子大学ジェンダー研究センター・研究協力員。哲学・倫理学。特に、生命倫理やジェンダー/セクシュアリティに関わる問題を対象とする
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