出版社内容情報
最新のフェミニズム論をはじめ、特集「ドメスティック・バイオレンス」ではDV法の解説や施行後の実態、加害者対策、心理的影響など、一線級の研究者、ジャーナリスト、弁護士らが多角的に解説。斬新な書誌情報も豊富に収録したジェンダー研究の必携書。
はじめに[三隅佳子]
◇ジェンダー・フェニミズム論
フェミニズムの危機?
――グローバリゼーションとの関連で[江原由美子]
◇特集 女性に対する暴力
総論 ドメスティック・バイオレンス防止法と女性に対する暴力[戒能民江]
DV防止法の成果と今後の課題[角田由紀子]
夫からの暴力の実態とDV法施行後の自治体の課題[鹿嶋敬]
バタラーへの非暴力援助の考え方
――家庭内暴力の加害男性たちへのアプローチ[中村正]
ドメスティック・バイオレンスに対処する視点
――DV防止法施行後一年を経過して[篠崎正美]
トラウマの心理学[「ムーブフェスタ二〇〇二」小西聖子講演会より]
――性暴力・DV被害者などのトラウマ・ケア
◇ムーブの事業から
「ムーブ」ジェンダーに関する作品募集[野中ともよ]
――「ジェンダーとIT革命」審査を終えて
◇書誌情報 キーワードでつかむジェンダー問題最前線
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律フローチャート
総理府「男女間における暴力に関する調査」(抄)
情報ファイル・相談機関リスト
「ジェンダー」という言葉を多くの方は耳にされたことがあるでしょう。そして、私たちは普段何気なく使ってもいます。一九九五年に北京で開催された第四回世界女性会議以降日本でもこの言葉は定着してきました。しかし、私たちは「ジェンダー」とは何か本当に理解できているのでしょうか?
一般的に「ジェンダー」とは社会的・文化的に作られた性別であると説明されています。国の男女共同参画審議会が一九九六年内閣総理大臣に答申した「男女共同参画ビジョン」は二一世紀が真の男女平等を基礎とした男女の新しい関係に飛躍する時代となることを願い、二〇一〇年までを念頭に、目指すべき方向とそれに至る道筋を示したものですが、その中において、この答申は「女性と男性が、社会的・文化的に形成された性別(ジェンダー)に縛られず、各人の個性に基づいて共同参画する社会の実現を目指すものである」と位置づけています。
女性や男性に期待される役割や責任は、社会や文化によって違いますし、同じ社会であっても歴史的に変化しています。これまで、私たちは身近な日常生活の中で、家事・育児、労働や教育、意思決定の場への参画など様々な場面で男女に期待される「男らしさ」や「女らしさ」携わる職員の皆様のみならず、ジェンダーについて学んでいる学生や研究者の方たちにも幅広く活用いただき、男女共同参画社会実現に向けての一助となれば幸いです。
最後に、本書作成にあたりご協力いただきました関係の皆様に心から感謝し、お礼申し上げます。
はじめに 三隅佳子
内容説明
男女共同参画社会の実現に向けて多彩な事業を展開する“ムーブ”発自治体、女性センター関係者の必携書。
目次
ジェンダー・フェミニズム論(フェミニズムの危機?―グローバリゼーションとの関連で)
特集 女性に対する暴力(総論 ドメスティック・バイオレンス防止法と女性に対する暴力;DV防止法の成果と今後の課題;夫からの暴力の実態とDV法施行後の自治体の課題;バタラーへの非暴力援助の考え方―家庭内暴力の加害男性たちへのアプローチ;ドメスティック・バイオレンスに対処する視点―DV防止法施行後一年を経過して;トラウマの心理学―性暴力・DV被害者などのトラウマ・ケア)
ムーブの事業から(「ムーブ」ジェンダーに関する作品募集 「ジェンダーとIT革命」審査を終えて)
感想・レビュー
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katoyann