出版社内容情報
麻薬,セックス,犯罪と暴力……。白人が支配する社会下で意図的に巧妙につくり上げられたステレオタイプな黒人男性像。日本社会でも日常的に流布されるこのイメージの無根拠性と差別構造を論証する。
序 ブラック・メイル・イメージ神話で儲ける成長産業
第1章 黒人はケダモノ……それとも人間
第2章 ブラック・メイル・バッシングの素晴らしき芸術
第3章 奴隷制からスポーツ・アリーナまで
第4章 スパイク・リーへの仕打ち
第5章 トーマス,タイソン,トール・テイルズ
第6章 おれもニガーだぜ
第7章 かくあるべきではないこと
第8章 尊師ファラカンかアドルフ・ファラカンか
第9章 何故「ため息つかせて」なのか?
第10章 マイケル・ジャクソンはスリラーじゃない
第11章 「愛がそれとどんな関係があるの」――君たちが考えている以上にだよ
第12章 麻薬撲滅戦争はブラック・メイル撲滅戦争
第13章 もう一方のボーイズ・ン・ザ・フッド
目次
ブラック・メイル・イメージ神話で儲ける成長産業
黒人はケダモノ…それとも人間
ブラック・メイル・バッシングの素晴らしき芸術
奴隷制からスポーツ・アリーナまで
スパイク・リーへの仕打ち
トーマス、タイソン、トール・テイルズ(ホラ話)
おれもニガーだぜ
かくあるべきではないこと
尊師ファラカンかアドルフ・ファラカンか
何故「ため息つかせて」なのか?〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
2
アフロ・アメリカンの研究者による、怒りの書。黒人差別というよりも、黒人男性(ブラック・メイル)への差別を特に告発する。アメリカ社会には、奴隷時代から黒人男性は暴力的、性的に放埓、犯罪者というイメージが付きまとう。19世紀や20世紀前期には、「黒人男性は野獣である」と繰り返し識者が”科学的”根拠を主張。だから、犯罪を起こせば「黒人男性だから当然」とみられる。その偏見は、同じ黒人の女性達からも向けられているが、黒人女性が黒人男性をセクハラで告発すると「黒人社会を分裂させる」と非難が起こるねじれがある複雑な世界2020/04/08
マッキー
0
白人からの仕打ちを告発しようとするあまり、ヒステリックで恣意的になりすぎるきらいがあるけど、いろいろな事例を交えて展開しているので資料としてはいい本だと思う。2010/09/08