内容説明
僕は曾根崎薫、14歳。歴史はオタクの域に達してるけど、英語は苦手。愛読書はコミック『ドンドコ』。ちょっと要領のいい、ごくフツーの中学生だ。そんな僕が、ひょんなことから「日本一の天才少年」となり、東城大学の医学部で医学の研究をすることに。でも、中学校にも通わなくっちゃいけないなんて、そりゃないよ…。医学生としての生活は、冷や汗と緊張の連続だ。なのに、しょっぱなからなにやらすごい発見をしてしまった(らしい)。教授は大興奮。研究室は大騒ぎ。しかし、それがすべての始まりだった…。ひょうひょうとした中学生医学生の奮闘ぶりを描く、コミカルで爽やかな医学ミステリー。
著者等紹介
海堂尊[カイドウタケル]
1961年、千葉県生まれ。外科医を経て、現役の病理医。2005年に『チーム・バチスタの栄光』で、宝島社の「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、作家として本格的に活動を始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zero1
172
自殺者まで出したSTAP細胞での騒動を、多くの読者は連想したに違いない。 「バチスタ」シリーズのスピンオフで舞台は2022年。 「昼行燈」こと田口も少しだけ登場。高階は出世した。 シリーズ再登場の中学生、薫は父親が作成したテストで1位になり、東城大学医学部で研究することに。 レティノブラストーマ(網膜芽腫)で大発見かと思われたが・・・ 佐々木アツシなど別の作品ともつながっているので、シリーズを読んでいる人には楽しめるはず。 表紙は絵本で知られるヨシタケシンスケ。 大人の世界って、汚いよね?2018/10/23
ダイ@2019.11.2~一時休止
159
本は中学生向きだが大人でも十分に楽しめる。最後の対決シーンがイイ。2014/04/21
まゆちん
118
ジーンワルツ、マドンナヴェルデからの本著。曽根崎薫くんが中学生になって、たまたま試験問題を知ってたという理由から日本一のスーパー中学生になり、東城大医学部の研究室に入室する。内容的にはまさに今、博士論文偽造問題を彷彿とさせるけど、主人公が中学生というところがまた物議を醸す。まるで今を予想していたような話でした。あの伸一郎が父親として薫に向き合っている様が温かい。みどりさん、雄介や佐々木くん、翔子、田口先生、そして桃倉さんはあのセンター長の。。。皆、大きくなったなぁ。。。と感慨深げでした。2014/05/17
がらは℃
109
周りに流されて、周りのせいにするのは簡単。ちゃんと自分の考えで目の前の道を進むからこそ、未来があるんだなあ。田口先生や高階先生やナイチンゲールのあの人や、ニヤッとしてしまう登場人物がたくさん。ところで救急センターは復活しなかったって。。。あと佐々木さんは、あの子なんですよね?2010/11/22
ちはや@灯れ松明の火
103
運命の悪ふざけと家庭環境上の必然との間に生まれ落ちた医学生の卵は成績イマイチ現役中学生。自由闊達だけど小賢しくて甘ったれな彼が垣間見たのは大人の世界のせこさ、名誉欲、打算、責任転嫁。医は仁術?算術じゃないのか。けれどダメな大人ばかりじゃない。真剣に研究に打ち込む者、心の強さを行動で教えてくれる者、遠く離れていても誰よりも理解し見守ってくれる者がいる。未来なんて誰にも分からない、でもこの頼りなげな卵もいつの日か孵化して強く羽ばたくかもしれない。目の前に伸びた道は無限の可能性に満ちている。2010/05/19