内容説明
広場の時計の二つの針がかさなるとき、春・夏・秋・冬、季節ごとに路面電車がやってくる。―東から西へ、乗っていこう。なつかしい町、なつかしい人に会える。めぐる時間と出会うファンタジー。
著者等紹介
天沼春樹[アマヌマハルキ]
1953年埼玉県生まれ。中央大学大学院文学部博士課程修了。ドイツ文学者、作家。日本児童文芸家協会理事長。日本ツェッペリン協会会長
北見葉胡[キタミヨウコ]
1957年神奈川県生まれ。武蔵野美術短期大学卒業。2005年ボローニャ国際絵本原画展入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hideto-S@仮想書店 月舟書房
44
時間をテーマにしたファンタジー絵本。広場の時計の二つの針が重なる時、春・夏・秋・冬の年4回だけ路面電車(トラム)がやってきて、懐かしい町、懐かしい人に会えるのです。初めてなのに懐かしい感じがする友だち。「お名前は?」「トラムさんでいいわ」。一緒に歌を歌って遊びました。タイトルは思い出せないけど、確かに聞いたことがある歌。トラムで行く不思議な場所。夜の植物園。月の光を食べるルンナルンナ。懐かしさの理由が最後で分かります。ちょっと不思議でレトロな北見葉胡さんの絵が物語にピッタリです。2007年12月初版。2014/07/11
Y2K☮
41
そのトラム(路面電車)に乗れるのは1年に4度。それも時計の長針と短針が重なる時刻のみ。日常のすぐ隣にある不思議な町とそこに住む不思議な友達。そこでは人間とそれ以外の存在が当たり前の様に共存している。時の流れはしばしば悲しい別れを伴うものだけど、反面受け継がれる何かの確認でもある。1日でいいから、こんな旅をしてみたい。そういえば子どもの頃、都電の小さな車両が駅から出るのを眺めるのが好きだった。次の休みにでも乗りに行くか。母校のキャンパスにも寄っていこう。リトル・レトロ・トラム わたしをどこかにつれてって! 2017/03/04
小夜風
25
【図書館】不思議なお話。1年に4回だけ走る路面電車(トラム)に乗って、懐かしい町、懐かしい人に会いに行きます。春分の日は5時27分。夏至の日は7時38分。秋分の日は3時16分。冬至の日は2時11分。長い針と短い針が重なって、時間が止まる時、そのトラムはやって来ます。お友だちは誰?薄荷の匂いがする海辺の町…あぁ、確かに海の近くは薄荷の匂いがしたような気がする。北見葉胡さんの絵が可愛くて、私もこのトラムに乗って行きたくなりました♪2014/06/26
深青
16
路面電車【トラム】が繋ぐ不思議な不思議な物語。雰囲気もお話も素敵でした。2016/04/21
anne@灯れ松明の火
15
北見さん原画展を観た。この本のP30・31の文字のない見開きページが一番素敵だった。文章が案外長かったので、帰ってから、図書館で借りてきた。ストーリーも、不思議なメロディーが流れているようなファンタジー。「これって、そういうこと?」と思わせながらも、答えは出さない。読者がそれぞれ想像すればいいんだね。2012/03/31