絵描き

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  • サイズ A4判/ページ数 1冊(ペ/高さ 28cm
  • 商品コード 9784652040393
  • NDC分類 726.5
  • Cコード C8793

内容説明

旅(じんせい)の目的はやがてわかる。風景の中で、ゆっくりと見つかるものが、きっとあるから。絵描きは何を求めて絵を描いていくのか。先達のゴッホや、名もない絵描きたちに思いをはせながら、自分にしか描けない絵を求めてさまよう人間の姿を豊かに描く絵本。

著者等紹介

いせひでこ[イセヒデコ]
1949年に生まれ13歳まで北海道で育つ。東京芸術大学卒業。絵本『むぎわらぼうし』で絵本にっぽん賞、創作童話『マキちゃんのえにっき』で野間児童文芸新人賞受賞後、宮沢賢治作品の絵本化で『ざしき童子のはなし』『よだかの星』『風の又三郎』を経て『水仙月の四日』で産経出版文化賞美術賞を受賞。最近では『雲のてんらん会』『1000の風1000のチェロ』『雪女』『秋桜』『はくちょう』などの絵本制作と平行して絵本原画展、アクリル画の個展を各地で開催
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kanegon69@凍結中

89
この絵本は、「いせひでこ」さん自身が V.ゴッホに思いを寄せながら、自身の心象風景を描いたような気がします。表紙にもなっているこの絵、構図がゴッホの「アルルの寝室」とそっくりです。でもいせさんの絵になると、なんだかふわっとしてとっても優しい絵に感じます。いせさんご自身が絵を描かれる際に、こんな旅のしかたをされて素敵な絵を描かれているのかなと思いました。ゴッホに憧れ、パリを愛し、絵本を通じて、いせさんのタブローを伝えていく、そんな心の中を表しているようなストーリーと、もはや画集のような素敵な絵の数々でした。2019/11/02

masa@レビューお休み中

59
もう、これは絵本という概念を超えている。アートであり、ポエムであり、まさしく絵描きの頭の中をそのまま体現したかのような作品である。この本は見るとか、読むではなく、五感をすべて使って感じるためのものなのだろう。透明で光り輝く水彩画は、瑞々しい感性そのものである。絵描きは、山に行き、公園に行く。ときには、電車で、動物園なんかにも行ったりして…。でも、どこにいても考えていることは絵のことだけ。どこにいても、何をしてもキャンバスに描く世界のことだけを考えている。そのことが、なによりも美しいんだ。2012/05/09

キジネコ

55
世界は こんなにも美しい。手の中の絵に言葉を失います。言葉以上に饒舌で あえて言葉にすると損なわれてしまうものの存在を 静かに楽しみたい。こどもの頃の様に 絵をかいてみたくなりました。誰かに見てもらう絵ではなくて 自分のために描く絵。そういう時間 大切な時間 確かめる時間 見つめる時間 もしかすると遠くなった記憶の世界 忘れてきた匂いも思い出せるかも知れません。目や耳や鼻や肌、私たちは豊かな五感を得て生涯を生きる。そのことを新たに致します。閉じた瞼の向こうに見える光 風に包まれる感覚 この世界は美しい。2019/07/25

しゅわ

47
【図書館】いせさんの木の三部作がとても良かったので、ほかの本も…と借りてきてみました。タイトルの通り、旅をしながら絵を描いている絵描きさんの物語。「旅」という文字に「じんせい」とふりがながふられていて、絵を描くこと、そしてその意味について考える…いせさんご自身の葛藤のようなものを感じる一冊となっています。「おつきさま ぬすんだ。」の表現に衝撃をうけました。2014/05/18

よこたん

46
“おつきさま ぬすんだ。きょうは 山焼けの 赤をもらった。” 絵を描くことは、長いながい旅のようなものかもしれない。目に映ったもの全てを描きうつすわけではなくても、見て触れて眺めて驚いたものは、心の抽斗にしまわれて静かに出番を待つ。さぞかし青い色のストックが多いことだろう(笑) いせさんの、ゴッホと賢治への想いがそこかしこに溢れ出ていて嬉しくなる。これから先、同様にいせさんを想い、描く人がきっと出てくるはずだ。静かでいて、激しくて、寂しいようでも、温かい。そんないせさんの絵本をもっと読みたい。2018/06/28

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