ペンキや

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  • サイズ B5判/ページ数 47p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784652040225
  • NDC分類 K726
  • Cコード C0093

出版社内容情報

喜びや悲しみ、浮き浮きした気もち、寂しさ、怒りや諦め、みんな入った「ユトリロの白」を塗り続けたある職人の一生を綴る絵本。   小学校高学年~中学生


お客のもっとも望む色を探し出し、人々をしあわせにするのがペンキやの仕事…。父の跡をついでペンキやとなった男の一生を鮮やかに、歌うように描く。

しんやは小さい頃に亡くなった父親と同じペンキやになった。お客のもっとも望む色を探しだし、人々を幸せにするペンキやに。だれもが生まれ来てつとめを果たし、やがて死んでいく。そのようにして人生を終えた一人の男の一生を異国的なタッチの絵と静かな言葉で奏でるファンタジックな絵本。



内容説明

喜びや悲しみ、浮き浮きした気持ちや寂しい気持ち、怒りやあきらめ、みんな入った「ユトリロの白」を塗りつづけたある職人の物語。

著者等紹介

梨木香歩[ナシキカホ]
1959年生まれ。英国に留学し、児童文学者のベティ・モーガン・ボーエンに師事。著書に「西の魔女が死んだ」(日本児童文学者協会新人賞、新美南吉児童文学賞、小学館文学賞受賞。小学館)、「裏庭」(児童文学ファンタジー大賞受賞。理論社)などがある

出久根育[デクネイク]
1969年東京生まれ。武蔵野美術大学造形学部版画科卒業。’98年グリム童話をエッチングで描いた作品でボローニャ国際絵本原画展入選。2002年よりチェコのプラハ在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

masa@レビューお休み中

138
このペンキ屋の人生を見ていると、人生ってはじめから決められていて電車のレールのように外れて進むということすら許されていないような気持ちになってしまう。絵の凄みと同じように、この物語の凄さ、強烈さにひるんでしまう自分がいた。彼と同じ人生だとしたら…死ぬとき「しあわせだった」って言えるのだろうか?あぁ、そうか。気づくことがなければしあわせなのかもしれない。気づくことさえなければ…。2016/03/01

naoっぴ

95
梨木さんによる不思議なお話。何色ともいえない微妙な色合いの絵が、ペンキの色の物語に深みを感じさせて読後にほっとため息。あの不思議な女の人が望んだユトリロの白。たくさんの色が混じりあったような白とは、しんやの人生の色だったのか。悲しいこと辛いこと楽しいこと嬉しいこと、みんな含んだ白色だったのだろうか。独特な絵柄がとてもいい雰囲気。2017/01/29

mocha

85
依頼者の心を見つめて誠実に仕事をするペンキやさんは、色で人の心を癒す。それはもう技術ではなく魔法。職人さんの中には、実はそんな魔法使いがたくさんいるのかもしれない。たとえ世に知られずとも、愛する家族にはその証が見える。作者の梨木香歩さんも、画家の出久根育さんも、きっと魔法使いだ。2015/08/17

AKIKO-WILL

84
絵本みたいに薄い本ですが、梨木香歩さんの文と出久根さんの絵に引き込まれていきます。ペンキやのしんやがフランスで亡くなった父親の墓を探しに行きながら、ペンキやとして成長する姿。ユトリロの白とは?船で出会ったあの女性の正体は。最後に少しゾクゾクした感じでしたが良かった。2016/03/20

芽生

71
あらゆる気持ちを丁寧に織り込んだような濃密な色使いと穏やかな語りが、ただただ静かに胸に迫る。まるで1ページ1ページに魔法がかかっているよう。喜び、寂しさ、懐かしさ──人生のあらゆる感情に、ふっと溶け込んでいくような色との出会いは、消化できないでいた感情を「味わう」時間をくれる。故郷パリの街並みを描いた画家ユトリロの人生に思いを馳せ、孤独と哀愁を漆喰とともに混ぜ込んだ彼の「白」を味わいたくなる。命を全うしたとき、この人生はどんな色に染まっているのだろう。この絵本の表紙のように、少しくすんだ、優しい色がいい。2017/03/10

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