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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケニオミ
4
終戦前フィリピンにおいて所属部隊全員と共に戦死した竹内浩三の「筑波日記」を扱った本です。秘密漏えいの恐れがあるため、日記自体記すことが許されなかった兵舎の便所で認めていたらしいですが、浮世離れした青年の気持ちが胸を衝きます。「だれもかれもをとこならみな征く ぼくも征くのだけれど なんにもできず 蝶をとったり 子供とあそんだり うっかりして戦死するかしら」と記す程兵隊らしくない浩三ですので、彼の姉が「あのやさしい弟が、切込隊員となって人を殺すなど、私にはどうしても考えられません」と言うのが不憫に思えました。2014/04/20